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2013年12月27日 (金)

魏志天問 6 對海國

                             2013-12-27 21:33:00

 以下の記事は、魏志倭人傳に関する素人考えの疑問を並べていくものです。

 天問6は、
  「對海國」は、天国に向かった國ではないのか
 と言うものです。

 別稿で、一大國は、もともと自称「天國」ではなかったか、と勝手な発想を書きましたが、今回は、その続きです。つまり、半分冗談です。

 「對海國」の南島は、一大國に対面しています。従って、あま國(天國、つまり海國)に対する國という意味で、對海國と自称したのではないでしょうか。

 所居絕㠀、方可四百餘里、土地山險、多深林、道路如禽鹿徑。有千餘戶、無良田、食海物自活、乖船南北巿糴

 「無良田」を、「水田がない」と理解するのは、日本語感覚から来る勘違いです。本論筆者が敬愛する森浩一氏の指摘通り、中国語では「田」は田畑の両方を含むので、「耕作地」がないとの意味です。中国語に「畑」の字はないのです。知ってか知らずか、大抵の諸賢は、ここを知らぬ顔で駆け抜けていくだけです。

 ただし、「良田」は言葉の綾で、別に立派な耕作地に限るのでなく、並の耕作地、つまり「上中並」の並を言うのです。念のため。

 絕㠀に数千人と思われる人々が生活している以上、ある程度の耕作地はあったでしょうが、良田と呼べる耕作地が見あたらないという手厳しい意見です。

 多分、耕作地が手狭であったり、灌漑が不十分で水をくみ上げる必要のある段々畑などであり、食糧自給できる程度の収穫が、とうてい望めなかったと言うことでしょう。まして、帯方郡が、税として吸い上げることなど、とうてい無理とみたのでしょう。

 ただ、魏使や帯方郡使が、海の幸、山の幸の豊穣さを知らないので、こうした見方になったのもあるのでしょう。巿糴によって穀物の不足を補うにも、対価として、何か食料類、たとえば、魚介の干物のような海産物や木の実、キノコなどの山の稔りを差し出す必要があったはずです。

 思うに、對海國と一大國は、とうとうと流れ行く、青々とした「あま」に浮かぶ、緑なす兄弟国であり、南北交易においては、それぞれが、かけがえのないあまの驛となって、巿糴の流れに棹さしていたに違いないのです。

 あまくにが一支国となり、對海國の主旨が不明となった頃、対馬國に改称したのでしょう。

 いつの頃か、多分数世紀を経て、「つしま」の発音にに吸い込まれるように、対馬國、対馬(つしま)となったようにも思えます。
 それにしても、對海國は、對馬國の誤記に決まっているという「定説」は、早計の決め込みではないかと思われます。

以上

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