オバコは、いくつ
秋田民謡の「秋田おばこ」は、誰かが、
「おばこナー、何んぼになる」
と問いかけて、オバコが、
「此の年暮らせば 十と七つ」
と答えて始まる。
そのせいか、秋田の人の話を聞いていても、オバコとは、17,8の娘だという人が多い。
上の歌詞を聴いてぴんと来る人は、もう少なくなっただろうが、おばこの「此の年暮らせば」は、年が明けて正月が来たら、というとこで、そうしたら17歳ですと言っている。
年が明けたら一歳年が増えるのは数え年である。生まれた年が、人生の1年目、正月が来れば2年目、と言う数え方である。
お正月は、自分一人だけでなく、家族も、近所のみんなも、お殿様も、みんな、1歳年が増える、おめでたいときだった。
そして、忘年会とは、一座のみんなが、自分の今の年齢で起こったことを回顧し、新しい年の幸せを期していた。
日本では、みんな揃って年齢を加えていた時代が、遙か古代から、つい60年ほど前まで続いていたのである。多分、遠い昔に、中国の影響を受けたのである。
中国や台湾で、旧暦の正月を春節としてお祝いするのは、大多数の国民は、今も数え年の世界に生きているからである。
中国で言えば、「長大」(成人する、大人になる、の意味)は、古代以来、数えで18歳になることだったようだが、随分、早く大人扱いされていたと言うことである。日本にも、そんな時代があったろう。
さて、歌に出てくるオバコが、年が明けて17歳としても、今の満年齢で言うと、15歳であり、誕生日が過ぎたら、やっと16歳である。今なら、4月には高校入学する年度でかな、というところである。(早生まれか、遅生まれかで、一年度違うのだが)
現代人の感覚とずれている点の一つである。
以上
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