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2014年10月15日 (水)

今日の躓き石  「審判への侮辱」

                             2014/10/15
 少し旧聞になるが、記憶されているプロ野球ファンは多いだろうし、特に、どの選手、どの審判という趣旨ではないので、少しずれてもいいのかと思う。

 問題としたいのは、某選手の打席で、内角厳しいコースを見送ったところストライクと判定され、バットをひっくり返して、グリップで足下に線を引いたら、いきなり、退場宣告を受けたというものである。主力選手がいきなり退場では、チームとして大打撃であるが、説明は、侮辱行為という規定に触れたものらしい。 

 主審は、当日のゲームでルールブックであるので、侮辱行為をしたら、退場というのは、正当な判断のように思えるが、選手としては、僕には、この上を通ったように見えたのだがなあ、と言う程度の茶化しであり、侮辱の意図などなかったもののように思う。

 選手が所属していたMLBでは、審判の権威が非常に高く、特に主審を侮辱するのは大変な事件である。意図して、揶揄して侮辱したとは思えない。MLBでは、ユーモアとして、笑い飛ばされるものなのだろう。(リトルリーグやハイスクールのレベルのユーモアであるが)

 まあ、主審を茶化すのは、主審にとって侮辱と判断するのは、主審の権限内かとも思うが、それなら、以下のような問題は、なぜ日常茶飯事として、まかり通っているのだろうか。

 たとえば、打球がゴロで野手がとって一塁に投げ、それと前後して、打者走者が一塁に駆け込んだとき、一塁コーチが両手を広げて、セーフのジェスチャーをするのは、一塁塁審に対する重大な侮辱行為ではないのだろうか。本論筆者にすれば、プロ野球の審判は、随分、嘗められていると思うのである。

 そして、それほど目立たないが、打者走者のヘッドスライディング問題である。 

 ヘッドスライディングすると、駆け抜けるのより遅いのは、周知の事実である。走者が、次のベースを取りに行くとき、スライディングするのは、駈け込んで止まり損ねると、オーバーランでアウトになる可能性が高いのが、最大の原因であり、続いて有力なのは、タッチのいらないフォースプレイでなくタッチプレーの時に、野手のタッチを避ける意味である。

 どちらも、打者走者の一塁への走塁には、関係しない。一塁に向かってスライディングの理由がないのである。
 本質的にスライディングが必要であれば、足から入って一塁手の足をすくえば効果があるのだが、まだ、そうしたプレーは見たことがない。やっていれば、一塁手や投手の足の骨折が多発するはずである。一塁へのスライディングに何の意味もないからである。

 打者走者が、あえて、時間的な損失を承知で、一塁に飛び込む目的は、実質的には、審判の欺瞞である。
 打者走者が一塁に駈け込むとしたら、一塁塁審は、聴覚で一塁手の捕球と打者走者の触塁の先後を、ある程度判断できるのである。捕球音とスパイクがベース版を叩く音とを比較できるのである。視覚的にも、ボールが来る速度と打者走者の足の動きを見ていれば、早くから先後を予測ができ、判断を誤りにくいのである。

 打者走者がヘッドスライディングすると、一塁塁審は、打者走者の両手のいずれかが触塁するのを懸命に目視確認せざるを得ず、また、手での触累は大して音を出さないから、聴覚で補うことができないのである。可能性としては、水泳選手のゴールタッチのように、一塁ベースの一番手前に触るかも知れないが、現実には、そんなことをすると、確実に指を痛めるから、触塁の位置をずらして掌でベースを叩くはずであり、実際どこでベースに触れるかわからない。ずっと目で見ていて、いつ触ったか見て確認することを迫られる。誤審が起こりやすくなる。
 このような企みは、厳しい言い方をすると、スポーツ選手にあるまじき、まやかしである。

 最後が、スタンドプレーである。ヘッドスライディングは、危険なプレーであり、あえて、打者走者がヘッドスライディングする以上、セーフにしてやりたいという願望が、観客の間に広がるのである。言わば、世論の後押しで、誤審を誘おうというのである。
 このような企みは、厳しい言い方をすると、スポーツ選手にあるまじき、まやかしである。

 プロの審判が、明らかなスタンドプレーに影響されるとは思わないが、観客に与える心証は大きいものと思う。
 尊敬するプロ選手のすることであるから、高校野球などで、こうした無謀なプレーを真似するのが、見られるのである。

 これもまた、審判への重大な侮辱ではないかと思うのである。

 私見であるが、一塁へのヘッドスライディングは、危険なプレーとして、禁止したら、審判を侮辱しない正しい野球が行われるものと思うのである。

 審判への侮辱は、子供じみた茶化しに制裁を加えても減らず、的確に、且つ、重点的に不都合な「日常茶飯事」を是正しなければ、審判は、日々、嘗められていると見えるのである。

 このような私見は、余り広く行われてないと思うものである。

以上

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