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2014年10月17日 (金)

名付け話 ソーラーシステム

 初回なので、一寸裏話をすると、ここで出て来る話は、業務上知り得た話になる可能性があるので、普通に検索しても、ヒットしにくいように少しぼかしているのである。

 さて、随分前に、太陽エネルギー利用事業の事業所(工場)の末席に連なっていた昭和50年代後半の話である。
 さる学識経験者から、事業所トップに対して指摘があったのである。
 「ソーラーシステム」はSolar Systemの事であろうが、これは、天文学で言う太陽系のことであり、科学用語の誤用に当たるので、Solar Energy Systemのような正当な名前にあらためるべきだという指摘であった。部課長レベルでなく、権限のある事業所代表者に提言するのは、まことに、至当であった。
 
 当時事業活動していた事業所名は、簡単に変えられるものではない、むしろ大騒動になって、会社に大変な迷惑がかかるし、このような名付けは、むしろ産官学共通の用語なのだから、独断で改名すれば、大きな波紋を呼ぶのは必須なのだが、事業所トップの指示は、学術的に、指摘が正しいのであれば、会社はそれに従う義務があり、自分の責任で社長にお願いしてそのように変えるから、指摘の適否だけを審査するように、という厳しいものであった。
 
 で、関係者は、鳩首協議し、改名やむなしに近いところにさしかかったが、さる担当者が、英語名は、Solar Systemsと複数形であり、実在のSolar Systemと混同の恐れはなく、日本語では確かに単複同型のソーラーシステムだが、日本語では、太陽系と言い、ソーラーシステムと言わないので、カタカナ名でも混同の恐れはなく、よって改名の必要は無いと言えるのではないかと提案し、そのような答申に落ち着いた。こうして、事態は、内外ともに納得のできる形で落ち着き、大混乱は避けられたのである。
 
 申し送りがないので、当初に名付けした人が、どこまでの深謀を持っていたか、不確かなのだが、sの一文字の意味は大きかったのである。
 
 会社の一組織名であっても、半永久的に引き継がれていく可能性が高いので、名付けの際には、いくら関係者の知恵を絞っても、それで十分と言うことはないのだな、と感じた次第である。
 
 それにしても、率直に提言してくれた学識経験者、その提言が正しければ、自分の地位を賭しても、断固名前を正すという事業所トップの気骨、そして、誰にも気づかれずに大丈夫な名前を工夫していた当初の担当者、いずれも、大企業の生命力を、個人の力で支えていたと思わせる、よき時代であったなと懐かしむのである。
 
以上

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