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2014年10月17日 (金)

名付け話 詳しすぎる部署名

 会社の中で、地位が上がるにつれて、その人の権力は累進するが、知恵は、それに相応しいだけ累進しないので、時々とんでもないことが起こる。

 さる研究所の所長が、ある日、おもしろい観念に囚われたのである。それまで、研究所内の組織を、大きく、第一、第二と大別し、それぞれの内部を、また、第一、第二と区分し、ちょうど住所の丁目、番、号のような階層にしていた。これは、どこにでもある組織と思う。
 
 ところが、毎週の業務報告を見ていると、各「号」の駒内で研究に従事している研究者の意識として、自分の仕事が、どの事業分野のものか自覚していない例があり、これが、「番」-「号」あたりの狭い範囲の帰属意識に囚われた、緩慢な仕事に繋がっている。
 
 組織名を一新して、大区分には、担当事業分野を明記し、中区分には、技術分野を明記せよとの指示が出たのである。研究所所長の権限は、研究所内では絶対であるので、その通りに詳しい部署名が付いた。
 
 業務効率の上で顕著な効果が出たのかどうかわからないが、困ったことが発生した。それまでは、単なる数字名だったので、内線電話番号表や座席表を見ても、誰が特定の事業分野を担当しているのか、先行技術分野は何なのかわからなかったのが、具体的な部署名になると、内線電話番号表と座席表を突き合わせれば、研究所の業務分担が素通しになってしまったのである。内線電話1台に何人という推定はできるので、詳しい内線電話番号表も、秘密情報になった。
 
 ということで、それまで、(大抵無人の)受付に置きっ放しだった内線電話番号表は、極端に切り詰めた、事情に通じていない来訪者には、ほとんど役に立たない電話帳となり、大区分の管理職だけのものになったが、組織名は省略できないので、ある程度内部の業務分担が公開されることになってしまったのである。
 
 各部門の座席表は、社外秘になり、社内他部門には、入手困難になってしまった。
 
 もちろん、各自の名刺には、部署名が書かれているので、名刺交換する外部の人には、担当業務が明らかになるのである。雑談になっても、自分の「番」-「号」に何人所属しているか、口をつぐめと言うことになった。
 
 世事に疎い権力者の配慮不足の指示は、絶大な弊害を流すという事例である。
 
 そのような指示が出かけた際に、周囲の部課長レベルのものが保身に走って、誰も、殿ご乱心と止められないのが、大企業の組織の硬直化というものである。
 これが、設備投資とか、多額の経費支出を伴うものであれば、経理部の業務チェック、事情聴取、そして、事実上の「指導」が入るのだが、それ以外の事項には、管理部門は干渉できないのである。
 
 平成10年頃の話であったような気がするが、詳細は憚るので、内緒話は、このくらいにしておく。
 
以上

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