「花のワルツ」騒動 6 庇護の期待
このブログを時系列で追跡していただければ、当初の主張は、管理者の無理な主張を指摘するだけであったものが、次第に、YouTubeへの不満に重心が移っていったことが理解できると思う。ここで言う理解とは、書かれている意見に同意するという意味ではない。何を言っているのか、読み取れると言うことである。この部分で、読者が理解したと同意しても、筆者の主張に同意していると言うつもりはないので、安心して、理解していただきたい。
世に、二者間契約というものはざらにあるが、定型的に書かれるのが、紛争解決手段である。定型としては、「両者、契約締結の精神に基づいて、最善の努力を尽くし、両者間で紛争の解決に努めるが、両者間で解決できないときは、斯く斯くの裁判所、ないしは、仲裁機構の裁可を仰ぐものとし、両者は、そのような裁可に従うものとする。」
個人レベルでいえば、国内契約ではまだ少ないかも知れないが、海外契約の定型なので、検索すれば、定型文が見つかるのではないかと思う。まあ、肝腎なのは、このような規定に込めてある契約の精神である。
ちゃんと両者間で話し合って、それでも、合意できないときは、最終手段として裁判所に行きなさい、いきなり裁判所に行くのは好ましくないし、裁判所に行って判決を受けたら、それが最後で、それ以上、一切紛争をしない、という理屈を確認する合理的な規定だから、大抵の場合は、両者合意して契約するものである。
今回の例では、管理者と当方の間に合意は結ばれていないが、同様の妥当な紛争解決手段が想定されているはずである。
これに対して、仲介の労を執るものと期待されているYouTubeは、最初から、両者の紛争をレールに乗せて進行させるだけであり、調整しようとしない。そして、管理者に対して、裁判に訴える選択肢のみを提案するのである。当方は、YouTubeに対して、そのような紛争解決手段を執行することを委任したわけでなく、両者協議することなく、いきなり裁判所に判断を求めることを想定していない。
一介の私人であるから、何を言っても権威など無いのだが、いずれも、耳を傾ける価値のある筋の通った主張だと確信している。大組織が全知全能で、私人が無知だと決めつけるものではないのである。
YouTubeは、動画作家に対して参加を呼びかけ、各作家は、YouTubeが自分を庇護してくれるものと期待し、その期待は、明示にしろ暗黙にしろ、YouTubeによって保証されていると信じて、YouTubeの規定に従い作家活動を行っているのである。
それが誤解であるのなら、巨大組織であるYouTubeは、明確に、動画作家を庇護しないと明言すべきではないのだろうか。
既出かも知れないが、YouTubeが法の定める紛争解決手段である「仲裁」を行うことはできないと明示しているが、それは、法的に要求される資格を有しないからむしろ自明の事項であり、特に表明するべき事柄ではない。
問われているのは、両当事者間を仲介をして、司法手段に及ぶ以前に、両当事者が最善の努力で、両当事者の間で紛争を解決するのを支援することであり、そのような事項は、法的な資格を要求するものではないから、「できない」ものではなく、「できる」はずであり、少なくとも、動画作家が参加するに当たり、YouTubeに期待し、保証が存在すると感じた「庇護」の一端として、当然実行されるべきものと思うのである。
念押しをすると、当方が望んでいるのは、両者に対して拘束力のある「仲裁」ではなく、両者が穏当な意見交換をして、互いに相手の言い分を聴取し、妥当な合意に至る、意見交換の補助だけである。
繰り返しばかりでいやなのだが、YouTubeか、動画作家が自らに期待している庇護を与えない、動画作家と意見が対立している、YouTubeと動画作家の間の暗黙を含めた合意の局外者である管理者の主張の追求にのみ注力するのであれば、それは、動画作家を欺くものであり、そのような態度は、不法と言わざるを得ないのである。
このような私人の質問、意見を、拒否するのであれば、根拠を付記して明言いただきたい。
以上
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