今日の躓き石 「同級生、フィジカル」 スラング考
2014/11/09
以前あった問題の続きなのだが、NHKのルール遵守への疑問である。
BS1の特番で 「世界の壁を越えろ」と題して、若手プロゴルファーの闘志と努力が描き出されている。専門チャンネルでもないのに、専門性のある硬派のドキュメンタリーを堂々と展開するのは、NHKの総合的な報道力を示すものである。
しかし、男性ナレーターは、場所柄もわきまえず、堂々と「同級生」と怒鳴りまくっている。二人は、出身校は別だし、ジュニア時代に一緒にコースを回ったことも、一回あったかどうからしいから、別に、同じ環境で時間を共有したわけではないと思う。
かたや、女性ナレーターは、ちゃんと「同い年」、「同世代」と言っている。別に、何の違和感もなく言い換えられるのである。
男性ナレーターからは、別の問題用語である「フィジカル」も出てきた。当然の如く、説明抜きで出てくる。
かたや、アダム・スコットの談話にmental strengthという言葉が出たが、ちゃんと「心の強さ」と字幕が出ている。海外の一流プロは、ちゃんとした言葉遣いで語っている。ゴルフは紳士のスポーツである。
してみると、NHKとしての言葉の常識は、壊れてしまったのではなく、生きているのである。問題は、言葉の常識を徹底する努力に陰りが見られると言うことである。
この番組は、実況放送ではないのだから、当該ナレーターが音入れしているときに、誰かがだめ出しすべきである。
繰り返しになるが、NHKは、報道のプロである以上、言葉遣いにちゃんとした基準があるはずであり、基準がある以上は、ちゃんと守ることを期待されているのである。
たとえ、プロの言葉使いが世間の常識から外れていても、それを、視聴者の知る言葉と互いになじませて伝えるべきであり、訳のわからない業界スラングを、説明無しに視聴者に押しつけるものではないと思うのだが、間違いだろうか。
以上
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