今日の躓き石 「豪州サッカー」
2014/12/8
しばらく更新が途切れていたのは、毎日新聞やNHKが、突っ込み甲斐のある題材を提供してくれなかったということであり、天下太平と言うことである。
さて、12/8(月)の毎日新聞夕刊(大阪)で、「豪州野球事情 上」として囲み記事があったが、その中で、オーストラリアの「人気スポーツはサッカー、ラグビー、クリケット。」と言い切っているが、ここで首をかしげるのである。
現地の人気から言うと、ラグビー、クリケット、....となるはずである。サッカーが、真っ先に来るのは、何となくおかしいと、靴底に小石を感じて足が止まったのである。
そして、記事の紹介では、大事な人気スポーツが抜けているのである。現地人が、人気スポーツを列挙するときに、国技「オーストラリアンフットボール」を抜かすはずが無いのである。
ひょっとして、現地人が、football,rugby,cricketと列挙したのを、誤解したのではなかろうか。各スポーツの愛好家に言わせたら順番は、変わってくるだろうが、三大スポーツの座は揺るいでいないはずである。
因みに、サッカーは、すでに、ラグビー、フットボールの二種が盛んだった割を食ってか、なかなか普及が進まず、マイナーな地位に甘んじていた。と言うわけで、人気のない点で野球と大差なかったのだが、近年は、多少盛り上がってきたようである。
そうした事情を知っていたら、違う書きようがあったと思うので、今回は、担当記者が先を急いで、勘違いしたと感じるのである。
ついでながら、「ヨーロッパからの移民が多く」とぼやかしているが、この国は、元々、イングランドからの流刑地であったことから、ロンドン風の訛りのある英語が普及していたし、長年にわたり大英帝国の一部でもあったので、英語圏以外からの移民は少なかったように聞いている。サッカーよりは、ラグビー、クリケットというと、移民の出身文化圏を感じさせる。
オーストラリアは、長年、英連邦意識が高く、アジアから少し身を引いた「大洋州」であるとしていたが、近年は、アジアの一員としての意識が高まっているので、東アジアの人気スポーツである野球(と言っても、人気が高いのは、ほぼ日本、韓国、台湾なのだが)に親しもうとしているのかも知れない。
それにしても、オーストラリア人のスポーツ好きは大したもので、日本の1/4程度、台湾と大差ない、どちらかと言えば、少ない人口(2400万人程度だったか)で、世界水準のスポーツ大国である点は、一つの国の生きていく姿として尊敬に値すると思う。
想像するに、各地域に、子供から大人までの階層で多数のアマチュアチーム(草野球のようなもの)ができていて、毎日のように、地域内だけでなく、地域間の交流試合も催されているのだろう。人気スポーツが長年続いている背景には、それなりの基盤があるものである。
そうしてみると、この国に第4の人気スポーツが定着するかどうか、興味のあるところである。
以上
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