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2014年12月14日 (日)

今日の躓き石 「メンタル課題」-誰の?

                               2014/12/14
 今回の話題は、毎日新聞朝刊(大阪)のスポーツ欄記事の「あら探し」である。

 当カテゴリーにスポーツ欄がよく登場するのは、もともとスポーツ欄担当記者が、報道担当者としての本分を取り違えて書いたと思われる記事が散発しているからである。

 かねがね述べているように、スポーツ欄といえども、全国紙の紙面の一面であり、当然全国紙として記事のチェックがあるはずが、どうも、ゆるゆるになっているようで、長年の愛読者として憤慨しているのである。

 ちなみに、当記事は、日曜日当日の20時近くなって書いているので、結果は出ているのだが、一切見ずに書いている。「負けの無い」結果論ではないのである。

 「きょう実業団女子駅伝」と題した囲み記事が不思議な構成と構文を取っているのである。「不思議」とあえて言うのは、常識に照らして、意図不明だからである。

 「オーダー分析」と題して、駅伝の各チームの走者構成に論評を加えているのは、「下馬評」記事のならいであるから、特に不思議な点はない。と言いたいが、昨年実績を元に、順次論評されている後に、上位格付けされるべき特定のチームの論評が避けられていて、ことさらに特定のチームの監督談話が報道されているのが、まずは、不思議である。

 その見出しが、まず振るっていて、「新人のメンタル課題」。すでに述べているように、「メンタル」というプロスポーツ業界の符牒は、低劣、俗悪、粗雑で、不具合てんこ盛りの代表的な悪文であるが、監督談話の一部では無いので、見出しをつけた担当記者の迷妄とわかる。ただし、今回の問題は、もっと奥深いものがある。

 4行の談話だが、読んですぐに感じられるのは、天下の毎日新聞の記事とも思えない粗雑な記事だな、というものである。

 くだんの監督談話は、チームの状態が良くなっていると言明した後に、(実名を挙げた)「新人の心の部分が心配」とある。失礼だが、それは、新人の課題でなく、監督、コーチ、先輩、同僚の課題と思える。

 これでは、チームは勝てる状態にあり、負けるとしたら新人の「メンタル」トラブルであると、前もって逃げ口上を述べているように見える。

 談話に先立つ署名記事では、「その(若手選手の)出来が勝負の行方を左右しそうだ」、と妥当な言い回しで書いているが、駅伝はどこかで「大崩れ」すると、チーム全体が崩れてしまう競技であるから、おっしゃるとおりであり、それでも、若手選手が果敢に激走して崩れずに完走し、チームに勝利をもたらすのが、駅伝の妙味である。何事も良い方にとらえてあげたいものである。

 今回の事例では、当日朝刊の記事で、自分が敗因となるものと監督に予言された新人は途方に暮れるのではないか。

 気負って無理な飛び出しをするなとか、前の晩十分睡眠をとれとか、具体的な指導事項であれば、まだ、受け止めようがある。

 また、自分への懸念を、全国紙の朝刊で報道されると、発言内容が子供への小言のようで不満であり、チームの問題が自分の「メンタル課題」と言われても、対処のしようがあるまい。

 何しろ、初めての大舞台で、「負けるとしたら、おまえのせい」、と言われては、心穏やかではあるまい。

 素人目にも、「西日本大会」以来の期間をとらえても、監督と新人の間で解決出来ないような、この場で後悔しなければならないような、どんな問題があったのだろうか、と不思議である。

 この記事を読んで思うに、カウンセリングを受けて心の問題を解決すべきは監督ではないのだろうか。

 また、そのように、素人目にも明らかな「心の問題」を抱えた監督があらぬ事を人前で口走ったときは、その発言内容をこのように報道して、監督と新人に、後々まで消せない汚点を残させないのが、メディアの良心では無いか、と思うのである。まさか、担当記者は、必殺仕事人を気取って、監督に筆誅を加えているのだろうか。

 往年の監督やメディアの語り口では、「新人は、最初の大舞台に、気負うことも、気後れすることも無く、のびのびと実力を発揮して欲しい。後は、仲間や先輩が引き受けるから、悔いの無い走りをして欲しい」とでも言うものである。

 駅伝はプロスポーツでは無いのだから、報道するメディアには、心意気を引き立たせるような語り口が望まれるのであり、今回、あえてそう書かなかった担当記者は、なにか、「メンタル」の課題を抱えているのだろうか。このような不出来な記事が報道されるのは、誠に不思議である。

 メデイアが見聞きするのは大量の生データであるが、その中から、自己の見識に従い、報道にふさわしいデータを精選し、精選されたデータを元に、自己の見識に従いペンを振るうのが、メディアの使命では無いかと考えるのである。

 今回は、当記事が関係者に与える癒やしがたい傷みを思うと、「メディアの暴力」に近い記事になってしまっていると思うのである。

以上

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