今日の躓き石 「OSライセンシー」
2015/02/26
今回の題材は、ITメディアサイトの記事である。
これまで、「フェチ」事件を除いてこのメディアの言葉遣いについて論評することが少なかったのは、このメディアには、全国紙などで言う編集者も校正担当者もなく、担当筆者 (Editor)の書いた記事が露出していると思ったからである。
「フェチ」事件では、専業メーカーの新製品紹介記事でありながら、担当筆者の軽率な言葉遣いで性的なイメージをなすり付ける見出しを付け、それがそのまま世に出ていたからである。以後、記事として訂正されたかも知れないが、そうとしても当方は気づかないままである。
今回は、そうした手ひどい手違いではなく、単なる勘違いなのだが、それなりに意義深い間違いだと思うのである。仕事の仕組みは、失敗を通じて改善されると思うからである。
鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:8型より小さい「Windows 10タブレット」で考えられる3つの問題 (2/3)
「個人的な感想として、このようにデバイスカテゴリを分けるディスプレイサイズをMicrosoftが一方的に設定するのは違和感あるのだが、同社はOSライセンシーであり」
おっとっと、何か勘違いしていませんか。
初心に戻って確認すると、Microsoftのようにライセンスを与えるのは「ライセンサー」 (Licenser)、これに対してライセンスを受けるのは「ライセンシー」(Licensee)、カタカナ一文字の違いだが、大違いである。ここは、ライセンサーである。この勘違い、書き違いは、良くあることなので、一度の校正で、ほぼ100%訂正されるものである。
因みに、どのような分類を設けてライセンス許諾するかという「ライセンス・ポリシー」を決めるのは、ライセンサーの特権であり、自己責任である。ポリシーが成功してWindows10事業が成功すれば、その成果を勝ちとるのは、Microsoftであり、不調に終わればその損失を被るのは、Microsoftである。
ポリシーに反対するのは、部外者の自由であるが、ライセンサーが、自分の見識でポリシーを決めるのが、一方的だと非難するのは、筋違いというものである。ただし、当記事の筆者が素人考えを書き連ねるのが方針なら、仕方ないことかとも思う。
言葉間違いだけで言えば、記事筆者の記憶違いを訂正すれば、二度と起こらないものである。見識の違いは、まあ、良くあることであり、記事筆者の視点が明解であれば、読者側が調整して読み解くものである。
それにしても、冒頭にも書いたように、ネット上のメディアとは言え、ちゃんと編集、校正されていない記事が出回っているという評価は、好ましくないと思うのだが、信頼されていないメディアと評されている当事者は、どう思っているのだろうか。
以上
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