今日の躓き石 「ショック過ぎ」
2015/2/01
この一カ月半ほどは、毎日愛読している尊敬している毎日新聞の記事に躓かないでいたのですが、久々に大きくずっこける記事にであいました。
例によって、やり玉に挙げられるのは、朝刊スポーツ面(大阪13版)です。当ブログの記事は、関係者の目にとまることはないでしょうが、ここに公開の場で批判しておきます。
これでは、みんなが活躍を期待しているルーキーが、ちゃんとした言葉遣いで喋れないことを報道しているのであり、悪く取れば、さらし者にしている記事になっています。
本人も、社会人となった自覚、特に、何気なく漏らした一言が大々的に報道される立場になったことの自覚が足りない気がします。本人の自覚にも限度があるので、今のうちに、球団が、丁寧に指導することが必要と思います。
さて、「12球団横一線」の記事の中で、あえて、この球団だけ2倍の記事になっていて、その増設部分が気にかかるのでした。
「」内は、本人の口から出た言葉なのでしょうが、それを[忠実に]報道することに、大いなる疑問を感じるのです。
「ショック過ぎ」としゃべり出していますが、[過ぎ]というのは、現代若者言葉では褒め言葉ではなかったか、との疑念が入ります。まさか喜んでいるのではないでしょうが。
それに続く言葉は、どうにも趣旨が読み取れない、片言に見えます。
「僕だけ知らない先輩がいっぱいいるわけなので」とは、何が言いたいのでしょうか。理解困難で、読者の方が困惑します。記者は、趣旨を理解して書き、このままで読者も理解できると判断したのでしょうか。
困惑したと、発言を要約していますが、旅行の際の移動が遅れても、不可抗力であれば、落ち着いて凌ぐべきもので、この程度で[困惑]とは、嘆かわしいものです。プロ野球選手のように長距離の移動が多い職業では、交通手段が予定通り動かないのは、想定していなければならない状況と思うのです。
この程度の事態で、[ショック]、つまり心理的に打ちのめされる、とは、余りにひ弱いように思われます。
これでは、実戦のマウンドで追い詰められた時の抵抗力に欠けているのではないかと言われかねないものです。偶然なのか、すぐ上で監督の発言を、[平常心]と要約しているのが参考になります。
本人の言葉遣いが、やたらに大声で大げさに言い立てる若者言葉から抜け出せていない不用意なものなのか、それとも、ショックで打ちのめされたと本音を吐露したのか、見当がつきかねるのです。
当方の言い分の趣旨が繰り返しになるのですが、12球団横一線の記事の中で、あえて、1球団分の場所を取って、しかも、スポーツ面の真ん中近くで書き立てることの意義はどこにあるのか理解しかねて、躓かざるを得なかったのです。
記者が見聞きしたものを、このような形で全国読者に伝えることに、どんな意義があるのか。新聞記者として、選手の行動、言動のアラ探しで、日々を過ごすのか。素
人目には、プロとしての修行が足りないとみられるのです。特に、署名記事には、担当記者が新聞社から紙面構成を任されているとみられるので、あえて苦言を繰り返しているのです。訂正:【久米島】とあるのは、記者署名ではなく取材地地名でした。反省して訂正します。
全国紙のスポーツ面記事では、スポーツ専門誌や夕刊紙のスポーツ記事に求められない品位を確保して、全国紙の報道はいかにあるべきかという使命の自覚が求められます。
今回の例で言えば、スポーツ選手が、とかく言葉遣いが整うのが遅れ勝ちなのは、全国紙で今更報道して貰わなくても良いので、このような不釣り合いな記事を掲載しないようにしていただきたいものです。
毎度言うように、この記事が、言葉の守り人、高品位の報道を目指している全国紙の朝刊であるからこそ、愛読者は、この程度の粗相に躓くのであり、是非、全国紙のスポーツ面の[報道]について、じっくり考え直していただきたいのです。
以上
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