今日の躓き石 「セットアッパー」 汚染を食い止めて!
2015/04/13
正直言って、不機嫌になる記事であった。正しかるべき大新聞に、出てはいけない言葉が登場していたのだった。
毎日新聞大阪版朝刊スポーツ面のプロ野球戦評で、「セットアッパーを任される」とあるが、当該球団広報が、「セットアッパー」という言葉を無頓着に使っているとしたら、毎日新聞は、たしなめるべき役目を負っているのであるし、球団が使っていないとしたら、毎日新聞社として、校閲の努力が足りないということになる。いずれにしろ、困ったことである。
無署名記事の担当記者が、言葉遣いに恬淡としているとしたら、それは、信頼すべきメディアである全国紙記者としての自覚が不足しているということになる。
野球界が「ナイター」という勝手な造語を全日本に蔓延させて、取り返しの付かない負の遺産を背負わせていることを、日々思い返すべきなのである。
この手痛い言葉の悪用も、1世紀に向かって生き延びているし、野球界以外にも伝染しているから、消し去れない汚点なのだが、英語もどきで英語でない、コミュニケーションを阻害する悪玉の地位は、譲りそうもないように見える。いくら、公共放送が使用を控えても、全国民のほとんどが覚えてしまった言葉は、忘れられるものではない。
本論に戻って、毎日新聞は、その基準に沿わない言葉は、とことん紙面から追放すべきなのである。それが使命である。本当は、勝手な造語を糾弾する記事を載せれば良いのだが、まだ、勝手な造語を生み出した当人達がそこここにいる以上、攻撃的な記事は書けまいと思うのである。
因みに、先日の毎日新聞紙面に、読者から意味のわからない外国語を減らして欲しい旨の依頼を受けて、新聞社として、少しでも、読みやすい紙面にするよう努力するとの回答を見かけた。そう丸めてしまうと、単に、外国語に疎い年配の読者のわがままのように聞こえるが、細かく見ていくと、そんな簡単な話ではないのである。
ここでやり玉に挙げるべきなのは、「外国語」ではなく、カタカナ造語なのである。外国語なら、外国人に聞いてみるとか、辞書を引くとか、意味を調べることができるが、メディアの勝手な造語は、意味の調べようがないのである。
分の悪い戦いであり、果てしない苦闘になるのであるが、。天下の毎日新聞は、そうした戦いから逃げないで欲しいものである。
以上
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