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2015年6月12日 (金)

今日の躓き石 「フィジカル、スピード」 そうだったのか

                                    2015/06/12
 今回は、不満ではなく、毎日新聞のスポーツ欄の書きぶりを褒めたいのである。指摘した躓き石が消えたという報告である。

4月17日付毎日新聞大阪版スポーツ面で、Jリーグ戦の記事に、視察しいてた日本代表ハリルホッジ監督が、先日、「Jリーグはフィジカル、スピードが足りない」と語ったと引用されているが、まことに不可解である、と書いた。

 いろいろ考えても、監督が、「フィジカル、スピードが足りない」」と言ったとする報道が、当人の意図が通らないものであり、報道になっていないという苦言であった。

 今回6月12日付毎日新聞大阪版スポーツ面で目にしたイラクとの国際親善試合の報道は、当該ブログで毎日新聞に求めたスポーツ報道像である「掘り下げた」報道、かつ、一般人に「伝わる」報道である。

 ゲーム経過に即して語られた「1対1で負けない」守備という「フィジカル」コンタクトの強さと「少ないタッチ数で前線に縦パスを送る」攻撃という展開「スピード」の速さという二つの要素が十分意識された記事であった。

 さすがに、報道のプロの見事な著作である。脱帽である。

 前者について言うと、サッカーでフィジカルと言えば、何より、フィジカル コンタクトの意味であることを、もっと強調して欲しかったのである。サッカーは陸上競技ではないので、フィジカルとは、体力数値のことではないのである。
 そのように、言葉の意味がしっかり統一されて理解されていて、時折、一般人向けに説明がされれば、民間「言葉の守り人」としても、専門用語としての意義を否定するものではない。

 後者について言えば、サッカーでスピードと言えば、何より、ゲーム展開が攻勢に転じたときに、直線的と言えるほど、まっしぐらに敵ゴールに進む、チームとして統一された意志ある展開スピードを言うのであることを、もっと強調して欲しかったのである。サッカーは陸上競技ではないので、スピードとは、走る速さのことではないのである。
 そのように、言葉の意味がしっかり統一されて理解されていて、時折、一般人向けに説明がされれば、民間「言葉の守り人」としても、専門用語としての意義を否定するものではない。

 たまたま、本日夕刊3版スポーツ欄に、「敵FWのスピード警戒」と特に書かれているのも、短距離走のタイムを言っているのではなく、やはり、攻勢に転じ たときに自陣ゴール前に進出して来る展開の速さを言うのだろう。
 予想より早く進入してきた敵FWにディフェンスが対応できないうちに、早い縦パスを通されたら失点の可能性がぐんと高まる、それが脅威である と補足して理解するものなのだろう。

 どちらのカタカナ言葉も、あちこちに登場する元選手や評論家がそれぞれ勝手に解釈して、詳しい説明なしに使いまくるものだから、当人達の発言の趣旨は的確に伝わらず、側聞した民間「言葉の守り人」が、安易な(間違った)言葉遣いとして、否定的な発言を声高に述べる「言葉咎め」のブログ記事が続くのである。

 こうしてみると、報道の価値は速報にあるといいながら、趣旨の伝わらない報道は、「報道」として価値ののないものであることがよくわかるのである。

 お断り
 最後に、念のため付け加えると、当記事で言いたかったのは、当方が前回のブログで、『毎日新聞に求めたスポーツ報道像である「掘り下げた」報道、かつ、一般人に「伝わる」報道』を求めた記事のフォロー記事である。
 だめ押しのだめ押しであるが、当方は、サッカーを始め、各社スポーツに関して、全て、ど下手のど素人である。これは、技術論を言い立てる記事では無い。

以上

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