今日の躓き石 「フィジカルで押す」
2015/07/01
今日の題材は、毎日新聞朝刊大阪13版スポーツ面のエドモントンレポートである。面倒くさいからと言って、手を抜くと、当方の基準がぼやけるので、しつこく批判させて頂く。
記事の掴みとして、「イングランドはロングボールを使い、フィジカルで押すイメージが強い」と切り出しているが、何のことやら読者に趣旨が伝わらない。
まず、「ロングボール」とは、長い縦パスのことなのだろう。当然、カウンターアタックの際に、一発突破を得意としていると言うことなのだろうか。Wikiに説明項目があるから、古典的な戦法なのだろう。古典的な戦法でありながら、余り採用されていないところを見ると、成功率が低く、また、欠点も知られているのだろう。
「使い」とあっさり目に言うものの、試合の最後にリードされているチームは大抵長く蹴り込んでいくので、ここでチームの特徴としている以上、「常用」ないしは「多用」しているのだろう。しかし、成功率が低いと定評のあるロングボール頼みでは、ここまで勝ち上がれなかったのではないか。
ロングボールに続いて「フィジカルで押す」とあるが、まるでラグビーである。これまで悩まされている「フィジカル」の用例をはみ出していて、ますます混沌としてくる。折角の速攻に体力頼みのもみ合いを多用しては、素早いカウンター攻撃を損なうように思う。ディフェンダーと押しくらまんじゅうして時間を使っていたら、どんどん相手方の帰陣が進んで、速攻にならないのではないか。
色々考え合わせても、よくわからないのである。
因みに、昨日朝刊のエドモントンレポートでは、「ロングパスと当たりの強さを生かす」日本チームには苦手なタイプと書いていたので、素人にも躓かずに読み通せたのである。(だから批判していない)直前の記事と言葉遣いを変え、「イメージ」を否定するのは、誰かに記事の訂正を求められたのだろうか。少なくとも、前回大会では、ロングボールを放り込まれて2点失ったとの見方が書かれている。と言うことは、根拠のある見解に見えるので、その辺りが不可解である。
特に、今回記事は、イングランドチームの手口が、はっきりとつかめないと言うことだから、前回記事との繋がりが見えないと、掴みが滑っているのである。
それにしても、ロングボールは、カウンター攻撃戦法だから、後半に書かれているように、守備側として対応法は工夫できるだろうが、「攻略」はできないのではないかと思える。話が混戦しているようだ。
フォワードの選手の意見として、「相手に蹴らせない守備をしたい」とあるが、ボールを奪われた瞬間からしつこい守備に入り、ロングボールのコースを消しにかかるという趣旨らしい。自分が強く当たることによって、相手に短いパスを選択させて、チームの他のメンバーが全力疾走で帰陣する消耗を避けたいというのは、卓見である。
これに対して、最後の談話は、「1トップ」が、日本チームの戦型なのか相手の戦型なのか、簡単に読み取れないので、そのあとの戦略も趣旨がわからないままに終わりそうである。
どうも、今回は、記者の意図がつかみにくくて、報道機関のもたらした記事にしては、文字数があっても空回りしているようである。
以上
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