今日の躓き石 復讐の名を借りた犯罪
20015/07/19
当ブログでは、重大な事項は取り扱わないつもりだったが、本件は、スポーツ界を中心に気軽に使われている「リベンジ」という言葉の問題に関わることから、場違いなタイトルで採り上げることになった。不快な記憶を呼び覚まさないように、直接的な言葉遣いは避けているので、ご容赦頂きたい。
今回の批判の対象は、7/15日付毎日新聞大阪版13版の朝刊の社会面の記事である。
そのまま書き出すのは腹立たしいので、伏せ字を交えて書くと、当該記事は、「リ**ジポ*ノ」の話題である。ご丁寧に、記事中には、「復讐」と漢字書きを括弧内に入れて、一般読者にわかりやすくしているつもりのようだ。
しかし、これまでもそうだったように、「リ**ジポ*ノ」と呼ぶことは、そのような犯罪行為が、加害者にとって正当な報復行為だったと示唆しているものであり、報道機関として、そのような自己正当化に荷担しているように見えてしまう。
詳しく調べるまでもなく、被害者は、何も加害者に対して攻撃を加えたわけではなく、報復されるいわれはないはずだし、仮に、報復としても、「目には目を」の原則に従って、妥当な攻撃が想定されるだけである。
しかし、ここで採り上げられている行為は、被害者の人格を破壊する野蛮な行為であり、加害者が受けた(と感じた)かも知れない(心理的な損害)に対して、見合ったものとは言えないはずである。
それとも、毎日新聞社は、このような行為は、復讐の範疇としてありうるものと認めているのだろうか。大変疑問である。
「リ**ジ」は、宗教によっては、犯罪に対する神の裁きであり、それを、私人が成り代わって行う「天誅」の響きすら感じられるのである。世の男性一般が、いろいろなメディアを通じて刷り込まれている女性に対する傲慢さが、そこまで高まるものなのだろうか。筆者も、男性の一員として、「リ**ジポ*ノ」の横行に大変な危惧を感じているのである。
どうか、記事の背景に潜む蛮習に荷担するような記事は、これ限りにして欲しいものである。生命に危険の及ぶストーカー事件に加えて、「リ**ジポ*ノ」の猛威に恐れを成して、女性が、交際中の不穏当な男性と別れられないようになるとしたら、その責任の一端は、各メディアの無頓着な取り扱いにあるのではないかと懸念される。
そのような忌まわしい流れを食い止めるものとして、今回の事件に関して、司法機関が、適切な「天誅」を加えることを切望してやまないのである。
そして、「リ**ジ」なる忌まわしい言葉が、冗談半分に、場違いな状況で使われないように、これまた切望するのである。それとも、「リ**ジポ*ノ」は、単なる「リ**ジ」の一形態と見て、気軽に喋っているのだろうか。
以上
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