今日の躓き石 夢中ダイブ 絶対反対
2015/09/06
毎度おなじみの毎日新聞朝刊大阪第13版スポーツ欄の記事批判です。
小さいとは言え、署名入りの囲み記事で「人生初夢中 ダイブ」と不適切な言葉遣いの二連発です。何の罪もない選手を、こんな形でさらし者にする記事に疑問を呈しておきます。
「人生初」と言う言い方が軽率で粗雑であることは、良識ある読者にははっきりしていますから、22歳にもなって、ちゃんとした言葉遣いができないことを重ねて言い立てるのは控えます。
随分問題が大きいのは、ホームベースへのヘッドスライディングです。一塁のように、互いに先着を争うだけでブロックのない場合でも、大けがをしかねないヘッドスライディングするのは、大いに問題があるのですが、本塁突入の際には、捕手が両足を踏ん張ってブロックしているのであり、そこへ手を伸ばして突進するのは自滅行為です。
確かに、派手で素人受けするプレーであり、熱烈系のファンから賞賛されがちですが、決して真似すべきものではないのです。また、足から行くと遅くなるわけでもありません。他の選手は、臆病で安全策を採っているのではないのです。
プロの世界でも、タッチを避けるために、遠回りでヘッドスライディングして、伸ばした手でホームベースにタッチする例はありますが、捕手が捕球の際に移動して、スライディングの進路に入ったときは、レガーズに頭突きすることになりかねません。ある意味、余程技寿に自信がない限り、その場の勢いで突入するのは蛮勇に近いものです。
随分以前ですが、強肩強打で知られた若菜捕手(だったと思う。記録が確認できないので、うろ覚えになる)が本塁へのヘッドスライディングで骨折して重傷を負い、長期欠場に加えて、選手生命に影響の出る大変な事態になったことを思い出します。もちろん、当然のプレーとは言え、結果として重大なけがを負わせてしまった捕手も、長く後悔したことでしょう。
お願いですから、子供達が真似をして、大けがをするようなプレイは、但し書きなしに賞賛しないでください。ついでながら、「人生初」などと言った発言も報道しないでください。
この選手は、感情的な発言を好むようで、担当記者も大いに共鳴しているようですが、冷静に見ると、大会に出場して打てなかった(結果が出なかったと言うよりは、出せなかったというものではないか)のは、単に力不足(謙虚)と言うべきであり、力をつけたことを示す機会を得て再挑戦するのは、「雪辱」とはほど遠いものです。
(自分ほどの選手なら)打てて当然、打てなかったのは屈辱、と感じるのは、不遜というものです。少なくとも、報道関係者のインタビューで答えるべき表現ではありません。こうして、三つ目の問題発言が、締めの部分で発言引用されて、念押しされているのは、悲しいものです。
くれぐれも、一時の感情に影響されて、一般読者を対象とする全国紙としての報道の使命を忘れないようにお願いしたいものです。
以上
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