今日の躓き石 気持ちの強さ
2015/09/20
NHK BS-1のラグビーワールドカップの関連番組で、エディー・ジョーンズHC(ヘッド・コーチ:ラグビーに於けける代表監督)のインタービューで、「メンタル」(mental)の強さと意味不明な字幕が出た。
ただし、番組の地の部分に戻った時のタイトル字幕では、「気持ちの強さ」と解き明かされていた。それなら、なぜ、最初から誰にでも通じる日本語にしなかったのか、不審である。
なお、コメンテーターは、HCは英語で"mentality" (メンタリティ)と言ったとしている。
字幕制作者は、英語が満足に聞き取れなかったのだろうか。
"mentality"は、英語として意味のとれる名詞だが、"mental"は、名詞ではない形容詞であり、聞くものは、後に名詞が続くと期待しているのに名詞が続かないので、単語明瞭、意味不明瞭となっている。"Mental what?"と問い返したいところである。英和辞書を参照しても、的確な記事はないのではないか。
一般視聴者にHCの発言の意味が伝わらないという事態は、メディアとしてもっとも戒めるべきものではないか。
と言うことで、インタビューの字幕に出た「メンタル」は、字幕制作者の誤解か、勝手な創作なのだろうか。
NHKでは、番組制作時に、誤訳のチェックはしなかったのだろうか。
HCは、自分が苦心して言葉を選んだ発言が、崩した日本語となって伝えられていることを承認しているのだろうか。
ここまでうるさいのは、NHKの製作番組では、厳格な用語チェックがあるものと、万全な信頼を置いていたのだが、今回は大いに落胆した。
世の中には、NHKの保守的な態度に反感を持っている人も多いようだが、当プログの見方は、頑として言葉を守る、鉄のゴールキーパーである。
それとも、ラグビーには、ゴールキーパーがいないように、ラグビー番組は、タックルをかわされてしまえば、誰もゴールを守らないのだろうか。
以上
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