今日の躓き石 WBSC U-18の悲しいプレー
2015/09/07
今回は、辛い選択であったが、将来ある高校生のことなので、正直な意見を残しておくことにした。
もちろん、ちゃんと野球をしたことのない素人老人の意見なので、とんでもない勘違いかも知れないが、ここまでのブログで言いかけたことの延長なので、言い終えておくことにした。
決勝のアメリカ戦をABC(大阪)の実況放送で見た体験である。録画再生はしていないので、勘違いかも知れないことは言うまでもない。
6回日本チームの攻撃で二死満塁であった。一塁の強いゴロで、深く守っていた一塁手が投げた球を、ベースカバーに駆け込みながらだ投手が受け止めたのだが、この際の判定は、投手の触塁と打者走者の触塁とどちらが先かの争いであり、審判の判断はアウトであった。
ここで問題となるのが、打者走者が一塁にヘッドスライディングしたことである。いわゆる「気持ち」としてはそういう風潮なのだが、選手のプレーとして最善と言えないものだと感じたものである。
短距離走でわかるように、一塁ベースは加速し続けて走り抜けることになる。ダイビングしてヘッドスライディングするのは、足が地面を離れた瞬間に加速が停まって、後は、自然減速している。多分、多分であるが、駆け抜ける方が速い。そのために、一塁へのヘッドスライディングを見る度に、駆け抜けていたらセーフだったのではないか、との疑問が残るのである。審判も、そうした先入観を持っているものと思うのだが、確証はない。
そして、もっと大事なことなのだが、選手の安全と言うことがある。
特に、今回の例では、ヘッドスライディングをかけた時点では、一塁ベースが空いているので、投手が触塁する場所を十分に残すすべりかたではなく、ベースの真っ正面に飛び込んだものと思う。
この状態で、投手がしっかり触塁すると、打者走者と衝突して両方ともけがをする可能性があった。
衝突の危険を避けるとしても、打者走者の方は、ダイビングしていてどうにもならないので、投手がベースの手前をかすめるように触塁して、素早く逃げ出すしかないのである。
今回は、投手が内野手を本職としていて、こうした(危ない)ベース上でのプレーになれていたから事なきを得たが、内野守備に不慣れな投手なら、まともにベースカバーして事件になっていたかも知れない。
してみると、一塁の塁審は、正常なプレーが行われていればアウトであったことを見て取って、アウトのコールをしたのだと憶測するのである。
つまり、実際に行われたプレーのタイミングがセーフと感じたとしても、そのまま判定するとフェアプレーの精神に反するプレー(ベースカバーの投手の足を狙った危険なダイビング)を支持したことになるので、セーフのコールができなかったと思う。偏った見方であるが、審判に於ける正義(Justice)は、物理的な中心(Physical Center)にあるものではないと思う。いや、以上は、あくまで当ブログ筆者の憶測である。
もし、そうもしである、打者走者が正常に一塁を走り抜けていたら、これは、普段から想定しているフェアなプレーであるから、審判が目と耳で感じた通りの判断になったと思うのである。
頑張ったつもりで、随分自チームに不利なことをしたと思うのである。
できれば、日頃から指導者が選手に、一塁は駆け抜けなければならない、と訓示しておくべきではないかと思う。危険は自分だけにかかるものではない、気がはやるときこそ、安全で正確なプレー、ということである。
これまでのページと同様、当ブログでは、特定の選手をいじめるつもりはない。目立った事例を参考に、スポーツ界と取り巻くメディアの風潮の間違いを指摘し、風潮の正されるのを望むだけである。
以上
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