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2015年10月11日 (日)

今日の躓き石 NHKアナのプロ意識

                                   2015/10/11
 何の気なしに、NHK BSのセリーグクライマックスシリーズ実況を聞いていて、躓いてしまった。

 まさか、NHKアナウンサーの口から「リ**ジ」という言葉が出てくるとは思わなかったので、不意打ちを食らったのである。

 NHK BSの最近のMLB(米大リーグ)中継で、OB解説者の口からこの言葉を聞いたときは、まあ、素人さんの気軽なおしゃべりだから、失言も仕方ないと思ったのだが、今回は、全国民のお手本となるべきNHKアナウンサーがこの言葉を口に出したのには、愕然としたのである。

 ご当人(の耳に届くかどうか、耳に入るかどうかは知らないが)には、一度、この言葉の由来や世上に蔓延る悪用例についてかみしめて頂きたいものである。

 因みに、今回の用法は、報復、復讐、逆恨み、私刑に類する血なまぐさい、忌まわしい連想を誘うものであって、近年浮上してきた「再挑戦の機会を得る」という冗談半分の意味では無いようである。してみると、流行に悪のりしたわけでも無いようである。

 ついでながら、それ以外に気になったのは、NHKアナウンサーの口から「ポストシーズン」という言葉が出てきたことである。この言葉は、以前は普通の言葉として聞き流していたが、実は、BS1のMLB中継を見ていて、“Post Season”は、MLBの商標(商品名)になっているのではないかと思うようになったからである。

 それにしても、NHKは、伝統的に、放送で商品名を出すのを避けることになっていたのではないだろうか。(局内御法度)

 この辺の事情は、別に確認しているものではないので、一度、ご検討頂きたいものである。

 ともあれ、天下のNHKには、公共放送としてふさわしいかどうか疑わしい言葉は避けて頂たいものである。

 ついでながら、日本プロ野球機構(NPB)が、冠付きの日本シリーズの前段として、(商標でなく、冠付きでもないようだが)特に「クライマックスシリーズ」と命名して売り出しているのに、関係者がその言葉を使わない風潮が感じられるのはどうしたものか。
 毎日新聞などの報道にあるように、クライマックスシリーズに出場している有力なプロ野球選手が、インタビューで「ポストシーズン」と口に出したのを、言い換えもせずそのまま引用して報道することすら、当該新聞社のスポーツ欄担当記者がプロ意識に欠け、無頓着だと感じるほどである。
 NPBの事業を「商売」というと抵抗があるかも知れないが、プロ野球は、ビジネスであり、プロ野球選手だけで無く、報道機関も、NPBのビジネスモデルを尊重すべきであろう。

 このあたりを考え合わせると、NHKが目下の対戦を「ポストシーズン」と呼ぶことに不審を感じるのである。

 ついでながら、最近のNHKアナウンサーのプロ意識を疑わせる例として、ルーキーで特定の投手と対戦経験の無い野手について、NHKアナウンサーの口からプロになって初めての対戦」などと、意味不明の「冗句」(蛇足)を被せた発言があったことを歎くのである。
 現役ばりばりのプロ野球投手とアマチュア時代に対戦がないのは、自明である。「野球人生初」ほど素っ頓狂ではないが、それに類した無意味で、詰まらない言葉を付け足す軽薄な風潮に流されずに、もう少ししっかり、口に出す言葉を吟味して欲しいものである。

 NHKアナウンサーはプロの中のプロであり、口を滑らせることなど無いとの信頼ができていたのだが、今日は、ちょっとぐらついた。

以上

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