今日の躓き石 憧れの存在に報復とは
2015/11/20
今回は、毎日新聞朝刊大阪第13版スポーツ欄と夕刊第3版の同じくスポーツ欄である。
言うまいと思ったのだが、ここで見過ごしたら、ここまで批判された方達に不公平であるし、発言した選手が不利益を被るといけないので、言いつくろいたいのである。
問題の発言自体は、選手(個人攻撃が目的ではないので、今回も名を上げない)の発言引用として書かれている。選手の闘う相手は、少年時代から憧れた「今でももっとも好きな選手」であるが、昨年対戦したときはストレート負けしたという。
それなのに、今回は復讐戦である、と言い。総決算を挑むという。まるで、年長の先輩相手に勝てるはずの勝負で去年は負けた。恨みが残っている。今年は、当然の権利として報復してやる、とでも言い立てているようである。まるで、前言と裏腹である。
当人の意に反して不穏当な発言を引用されたのは、深い意味もわからず、「リベンジ」と言ってしまったからであり、報道するものが、その失言を世界にまき散らしたからである。
この言葉は、米国のスポーツ界などでは気軽に使われている言葉かも知れないが、本来、この言葉は、大変忌まわしい言葉であり、特に、現今の世情では、とんでもない不穏当な言葉である。
どちらに大きな非があるか、言うまでもない。言葉のプロである、報道関係者であり、つまりは、共同通信(配信元)と誌面に掲載した毎日新聞全社の失態(連帯責任)である。
特に、共同通信のスポーツ担当記者は、全国紙の記者に不足している、豊富な経験と専門的な見識に基づいて、プロと呼ぶにふさわしい味わい深い記事を配信しているのを見てきたから、今回は、大変がっかりしたのである。
夕刊での続報を見る限り、共同通信記者の目は、両選手の双方に視点を切り替えつつ、高度な技術と不屈の精神を戦わせた名勝負として描き出していて、とかく、毎日新聞記者が、雑ぱくなデータから速断したとも思える記事を書き連ねる傾向が見られるのとは、さすがに大きな差が見えて、これはプロの技だと思わせる。
しかし、こと、言葉の繊細な選択については、毎日新聞記者に遠く及ばないのではないかと思われる。毎日新聞の記者の多数は、無用な有害語は使わないでも、勝敗織りなすスポーツ記事を書いているのである。
以上
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