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2015年12月 7日 (月)

今日の躓き石 あかつきのごねんぶりのふくしゅう

                                  2015/12/07
 今回の題材は、毎日新聞大阪3版の夕刊記事だが、とかく粗雑な言葉遣いの出てしまうスポーツ面ではなく、堂々たる社会面である。また、今回のタイトルは、意識してひらかなにしているのだが、中身は、大人向けの意見である。

 あかつきは、金星周回軌道に再挑戦する探査機である。当報道は、本来、めでたい記事なのだが、署名者のように言葉遣いに無頓着な記者に、濡れ衣ならぬ血塗られた見出しをかぷされては、当事者が気の毒である。

 署名者自身、記事内で「五年後の再挑戦」と言っているし、記事中には、再挑戦という単語が再三登場するから、署名者の脳内辞書には、「リベンジ」=「再挑戦」と言う、曲芸的な言い換えが定着しているらしい。見出しででかでかとかき立て、記事の冒頭に再度言い立てているのは、辞書を引いても意味のとれない、粗製濫造のカタカナ語である。またかとばかり、一般読者の多くの嘆きが想像される。
 ただし、粗雑なカタカナ語遣いは、それ自体全国紙の報道姿勢の退嬰・退廃を物語るものである大きな難点であるが、校閲部門も意識しているだろうし、当ブログ記事の主眼ではないので別に置く。
 ここで問題なのは、これは、不適当なことばを人目にさらす、希少、かつ、美しくないはやし立てであって、全国紙がいたずらに悪用例を普及させるべき物ではない、むしろ、積極的に廃語にすべきものである、と言うのが、当ブログの筆者の持論主張である。全国紙の廃語への最大の貢献は、絶え間ない「不使用」である。

 ここで言いたいのは、勝敗に関係なく、切った張ったにも関係のない、平和な世界に、何で、こんな野蛮な言葉を持ち込むのかと言うことである。
 現代の最大の問題点は、紛争地域において、時には後方の市民生活領域において、繰り広げられる「復讐」の連鎖であることに異論は無いものと思う。
 ここまであげつらっているスポーツ界(および将棋界)での用法は、たいてい、勝敗がらみの「雪辱」の言い換えであるが、それもたいていは、力不足で負けただけであって、別にだまし討ちに遭ったのに仕返しをしているわけではない。
 メディアを含めたスポーツ界は、総じてこのような不適当な言葉を使わない方向に動いているものと信じている。

 周知の事象として、宇宙戦争を題材にした映画シリーズ「スターウォーズ」の一篇が、かつての「ジェダイの復讐(Revenge of the Jedi)」なる不穏当なものから、経済的に莫大な損失をものともせず、「ジェダイの帰還(Return of the Jedi)」に改善された例もある。
 署名者は、何を好んで、場違いな記事に、野蛮な言葉遣いを持ち出すのだろうか。

 加えて、ここで見出しに使われている言葉遣いは、そのような悲惨な事態を茶化しているから、一段と悪質である

 毎日新聞の社会面であるから、全国紙夕刊に掲載され全国に報道された不用意な言葉遣いは、多くの若者達、子供達の未来に大きな傷を残すことになるのである。責任重大である。この点、またもや、関係者の自覚を促したいのである。

 それにしても、毎日新聞の言葉の守り人である校閲部門は、この点に気づいていないのだろうか。多分、当閑散ブログは眼中にないのであろう。

以上

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