今日の躓き石 体格で劣る勇者達
2015/12/22
今日の題材は、毎日新聞大阪夕刊第3版社会面の「夢へトライ 全国高校ラグビー 上」と題したコラムである。
ここに取り上げた理由は、別に、問題用語でもなく、文法外れでもなく、ただの言葉の綾なのだが、だからといって、大変抵抗のある言葉遣いであることに変わりはない。以下、定期購読者の意見を述べさせていただく。
全体に、競技の未来に希望を繋ぐ物語なのだが、記者の口癖なのか、毎日新聞社としての編集方針なのか、「W杯イングランド大会で体格で劣る日本代表が強豪南アフリカなどに競り勝ち」と書いている。
体格で劣るとは、背が低い、体重が軽い、と言うことなのだろうが、体格勝負の簡単な競技なのかと歎く。これでは、子供達は、体が小さいとだめなスポーツなのかと、割り切ってしまうだろう。いや、これは、他の競技でも見かけることが多い。
それにしても、世界トップクラスの相手チームから見ると、世界トップクラスのデカい体であり、誰が見ても勝って当然な大事な試合で、力負けしてしまった、と言う結果になっている。これは、出会い頭の番狂わせでは済まない。赤っ恥である。
日本代表は、体格の差をものともしない、むしろ、筋肉質の身体の敏捷さと軽量の裏返しの俊敏さと持久力で、デカい相手に負けず、堂々と戦ったはずである。話題の中心となっている選手だって、からだがデカいから得点しているのではないだろうし、また、単純に、鍛え上げた筋肉がもたらすキックの飛距離によって得点しているわけではないだろう。
ここで不満な原因の一つは、「体格で劣る日本代表が」、世界強豪に勝った原因に触れていないことである。少なくとも、勝った原因の一つである膨大な練習量についても、触れるべきではないのかと思う。今回は、体格は勝敗の大きな要因であることに間違いはないのだろうが、努力によって克服できることが示されたと思うのである。
また、各選手の持つ知力が最後まで維持されたことで、相手の予想を超えた鋭い攻撃を繰り出すことができたと思うのである。「心技体」の内の、心と技を簡単に述べるのは難しいが、メンタルスポーツとしての側面も重要である。一流選手になりたかったら、ちゃんと勉強しろよ、ということでもある。
天下の毎日新聞に要求される報道の質は、日本一でなければならない。記者が体格で他社記者に劣っているとしても、何か、それを越える努力をしていただきたいものである。
以上
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