今日の躓き石 ラグビーのフィジカルコンタクト
2016/01/31
今回の題材は、NHKG(NHKテレビ)のラグビー日本選手権に取材したものである。というか、当ブログ筆者は、スポーツ界用語に疎い一般人であるので、生きた言葉を学ぼうとしたものである。
その結果、社会人チームの選手が、「コンタクト」と言っているものとNHKアナウンサーが「フィジカル」と言っているものが、多分同じ概念なのだろうと思ったのである。
つまり、本来、「フィジカルコンタクト」と呼んでいるものを、片方は、自明の「フィジカル」を略して、「コンタクト」(接触、当たり)と称しているのであり、他方は、具体的な「コンタクト」を略して、漠然と「フィジカル」と称しているらしいと言うことである。
後者の「フィジカル」が、多くの意味を湛えた、つまり、漠然たる形容詞であるため、この言葉が使われていても、言っている人の込めた意義がわからない、人によって、大きく意義が異なっているので、聞いているものに伝わらない、という弊害を招いていて、報道の役を果たしていないと言うことは、当ブログでは、しつこく繰り返しているのである。
しみじみ思うのだが、こうした様を見ると、NHKアナウンサーが、業界の符牒に馴染んだ事情「通」となってしまい、一般人の理解しやすさを度外視して、「業界人」のしゃべりになっていることを感じるのである。確かに、実況放送の場では、すぐそばに業界人が座っていて、掛け合いになるので、業界言葉でしゃべった方が話しやすいのだろうが、目の前にいなくても、遙か彼方で耳を傾けている、一般人たる視聴者の耳に向けてしゃべって欲しいものである。
こうしてみると、社会人選手が、一般人に意義を伝えられる堅実な言い回しで語ってくれたことに、感謝したいのである。
以上