今日の躓き石 フィジカルの混沌
2016/01/01
今回の題材は、NHK BS-1の特別番組で、じっくり、サッカー日本代表監督のご高説を聞いたのである。また、天下のNHKが、迷走しているカタカナ語をどう捌くのか、期待していたのである。
結論を言うと、混沌は、混沌のままであった。
開始間もなく、海外の有力チームは、「フィジカルが強い」との語りであった。監督は、フランス語圏の人のはずだがここだけは、日本式のカタカナ語に同化しているようである。一度、カタカナ語の「フィジカル」の自国語への言い換えをお伺いしたいものである。
当方としては、「フィジカルが強い」との言い方から、これは、格闘技に類する強さと解するのであるが、それなら、「フィジカルコンタクトに強い」と言って欲しいものであるが。かみ砕きはない。NHKも、この用語に関与しない。
じゃあ、それがそのまま、近作のスローガンである「デュエル」、言葉の意味からすると、一対一の戦いなのだが、そちらにすんなりと進展したのかと思うと、そうでもない。
番組の展開では、「フィジカルフィットネス」の強化に繋げている感じが強い。こちらは、禁止薬物を摂らない限り、伝統的な肉体鍛錬であり、クリーンそのものであるが、そんなきれい事を言っているのではあるまい。
この番組でも、「フィジカル」と言う売り言葉は、大別して、二種の意味が込められているようである。これでは、視聴者が混乱するのである。英語としての言葉の本来の意味とは違うが、「ダブルテイク」と言いたくなる、見事な言葉遊びである。言葉が正確に伝わっていないのか、意識的に、すり替えて本音をぼかしているのか。まあ、スカッと勝ってくれたらいいのだが。
最近の日本代表のプレーを見ていると、肩、肘、腕など、上半身の働きで、相手の動きを制するプレーが目立っているように、素人目には見える。また、チャージングでぶつかるときも、相手を倒して、上に被さるような体捌きが見える。見えないところで、格闘技コーチを取り入れているのだろうか。
いや、NHKが「フィジカル」の意味を明確にしないのは、実際は、「アグレッシブ」のダークサイドである「ダーティー」さに触れたくないのだろうか。
聞けば聞くほど混沌としてくるのである。
以上
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