今日の躓き石 負けた悔しさ-白鳳の子への思い
2016/02/01
今回は、毎日新聞朝刊大阪13版のスポーツ面なであるが、褒めるときには褒めるのである。
少年相撲の国際大会で負けた子供に対して、父親である横綱が「悔しさを糧に」することを期待しているとして、記事を締めている。ここでは引用符にくるんだが、記事では引用符の外の地の部分なので、この言葉遣いは、横綱の意を汲んだ担当記者のものと理解して話を進める。
何を褒めたいかというと、比喩の使い方である。
当世は、悔しさをバネにするという言い方が出回っているが、悔しさを踏みつけにして、その場の気分は良いだろうが、そうした受け止め方では、負けた教訓が取り込めない。負けに学ばないものは、挑む度に同じ負けを繰り返す。
今回目にした表現は、悔しさを食って消化して、良いところだけ身につけて、要らないところは捨ててしまう、というしたたかな強さを表している。負けたら負けただけ強くなっている。強者を目指す者は、かくありたいものである。大変豊かな思いを秘めた言葉である。
若者には、強い言葉遣いではなく、良い言葉遣いとその心を身につけてもらいたいものである。
今回の記事に込められた思いは、書かれた当人以外の若者にも、いや、若くない者にも、広く届いて貴重な贈り物となって欲しいものである。
以上
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