今日の躓き石 換算焦点距離の居心地悪さ
2016/04/16
当ブログでは、交換レンズの焦点距離の表記方法に統一した行き方がない点に注意を喚起している。
今回は、特定のメーカー、特定の筆者を非難するものではないが、たとえば「35ミリ版換算で200mm~800mm」と言う言葉遣いについて異議を唱えたい。
「35ミリ版換算」と言うのは、フィルムのサイズを言うのだろうが、35ミリフィルムは、映画撮影用にも多用されているので、独り立ちしにくい、不安定な表現である。つまり、「ハーフサイズ」、「シネサイズ」と呼ばれる1/2サイズが、明確に排除できていないのが、素人目には、もっともらしい見かけにもかかわらず、字数を費やしたにもかかわらず、何とも行き届いていないのである。と言っても、この言い方は、「ライカ版換算」とか、「フルサイズ換算」と言い換えても、一向に明解にならず、混迷が深まるだけである。
次にくるのが、「換算で200mm」と言う言い方である。元になる製品名表示は、レンズの焦点距離である。しかし、書かれている「200mm」はなんなんだろう。
かたや、レンスの焦点距離は、規格に基づいて設計され、計測される物理仕様であるが、換算された数値は何のことかわからない。となると、"mm"と書いても意味が無いのではないか。むしろ、こうした数値は、規格として、その測定方法などが規定されるはずであるが、各記事を見る限り、素人目には、何とも行き届いていないように見えるのである。
「35ミリ版換算」と言ってしまったために、逆に、換算先は何なのかとか、換算した数値はどうやって計測するのか、とか、筋違いとも言える突っ込みが入るのであり、ちょっと下手な言い方だと感じるのである。
いや、いくら素人筆者といっても、業界通念というか、常識というか、この形容をどう解釈するのが順当かというのはわかっているが、世界に冠たる日本のカメラ業界として、何とかしないといけないのではないだろうか、と言うのが意見なのである。
以前のブログで、ニコン(敬称略)が単に「相当」と言う、妥当な表現をとっていることを指摘した。実焦点距離の代わりに商品名に採用するほどである。素人目には、消費者に理解しやすい、と言うか、呑み込みやすい表記である。当ブログ筆者の意見としては、それなら、「相当」の代わりに、(Lengthの略と言うことで)「L100」などと書いて、ついでに"mm"を端折った方が、製品名などの字数を減らせるのではないかと思うのである。
それはともかく、業界全体として、レンズの焦点距離表示と使用者の実感を一致させる表記を早急に提言すべきではないか。そして、心あるメディア関係者は、この件に限らず、用語統一ないしは明確化については、自身の武器である記事執筆機能を生かして、業界にそのような動きを迫るべきと考えるのである。
いや、素人にもわかる不都合が、(デジタル時代にしては)長年にわたって是正されないのは、素人には知り得ない、大変困難な背景があるのだろうが、それこそ、プロフェッショナルに求められる難業解決ではないだろうか。
そうそう、言うまでもないが、当ブログ筆者は、関係者の上司でもなければ、政府高官でもないので、別に、何ら拘束する力は無いのである。ただ、ここでこうして苦言を言うだけである。
以上
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