今日の躓き石 競泳界を徘徊するメンタル怪物
2016/05/17
本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊13版スポーツ面の「頂を目指して」と題したコラム記事である。
毎度引っかかる「メンタル」というカタカナ語である。何とか記者の意図を理解しようと、記事を追うのだが、「強固なメンタル」と熱く燃えているらしい「メンタル面」が出てくるだけで、この記事の記者が、あえて読者に意味の通じにくい「メンタル」というカタカナ語を使う意味が分からない。
こうして記事の文字によって表現された記者の意図が、読者に伝わらないのであれば、それは、報道の用をなしていないように思う。
他にも、(記者の)競泳感が反映しているように思う。それにしても、世界選手権などで一位になるのが勝ちで、二位までにとどまったら負けというのは、勝って当然という意識があるのだろうか、ずいぶん尊大な意義づけで、それでは、「負け」を引いた選手たちはたまるまいと思うのである。何のために、銀、銅のメダルを設けているのか、スポーツの意義を理解していないのではないか。
スポーツ報道でも、敵との対戦とその結果の勝ち負けによる意義付けは必要かもしれないが、競泳のような場違いな競技に当てはめるのは、同様に世界の高みを目指している競泳選手の参考になるだろうか。談話によれば、当の選手は、「戦争ではない」と言いつつ、世界に対して敵愾心を燃やすことが、力の源泉だと言っているように見える。そして、記者は、この記事によって、そのような心の持ち方が、競泳選手にとって不可欠だというっているように見える。がむしゃらに駆り立てる記事によって駆り立てられる「メンタル」とは、何なのだろうか。併記されているコーチの談話が、平静な言葉に終始していて、そのような過信がないのが救いである。
いや、議論がそれてしまった。記者は、冒頭で「ムード」などと、古典的なカタカナ語を起用しているのだが、「メンタル」とどう違うのだろうか。
ここで言いたいのは、体が熱くなるような高揚を、熱く燃えている「メンタル」によってアドレナリンが出ると言い切ってしまうのなら、別の、具体的な言葉、できれば意味の定着した日本語ででいいかえるべきだと思うのである。そうすれば、記者の意図は読者に伝わるのである。
毎日新聞朝刊のスポーツ面に大きく掲載される記事には、そこまでの品格を求められると思うのである。
以上
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