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2016年5月19日 (木)

毎日新聞 歴史の鍵穴 学説紹介の不手際

                                2016/05/19
 毎日新聞夕刊文化面の月一連載記事であるが、相変わらず、佐々木泰造氏の学識、と言うより、常識に対する疑念を募らせるものであった。手違いで公開が五日ほど遅れたが、本来、学説紹介のツボを外した記事の他愛のない杜撰さに即応したものである。

 当方は、無名の素人であるから、持ち合わせている一般常識しか頼るものはないのだが、科学的な論説で、まず問題になるのは、データの信頼性と分析の信頼性である、と考えるものである。それが、健全な批判というものではないだろうか。

 厳しい言い方になるが、この記事で紹介されている限り、百々氏の科学的研究は、科学的と呼べないものに見える。念のために言うと、当方は、百々氏の学説そのもののの是非について云々しているのではない。紹介された姿を論じているのであり、つまり、紹介の不手際について指摘しているものである。

 氏の研究は、各地で出土した人骨の観察に基づくものと言うことだが、研究した標本の数量が統計的に有意な数量かどうか、と言った基本的なことすら批判、検証されていないので、氏の主張を信じて良いかどうかわからない。

 続いて、氏は、ミトコンドリアDNAの研究成果を見て、結論に対して修正を迫られ、頭骨の分析をやり直したところ、掲載されている図のような分析結果を得て、新たな結論を得たと言うことである。
 つまり、氏の科学的分析は、得られるデータが分析者の先入観によって左右されるものであり、また、ドイツ標本に対する追試確認がされていない、と見えるので、学説として信を置くことができるかどうか不明と言える。

 また、記事に麗々しく掲示されている図は、二次元相関図紛いの形式で書かれているが、表現されているデータ数値およびその単位が書かれてない。また、縦軸、横軸が、データの数値に対して、線形なのか対数なのか、示されていないし、原点がどこか示されていない。と言うことで、図上の位置関係が何の意義を持っているかわからないし、互いの遠近の意義もわからない。
 それぞれのデータがほぼ一点で表現されているが、これは信じがたいものがある。こと、人体に関する測定で、個体間にバラツキのないデータはないと思うのである。それとも、各測定値は、一体の人骨に基づくものなのだろうか。

 してみると、これは、科学的なデータ表示てはなく、単に百々氏の「印象」を図示したものとも思われる。
 こう言ってしまうと、ご当人から「冤罪」の声が聞こえそうであるが、この記事を読む限り、そう思わされてしまうのである。毎日新聞の専門編集委員の紹介であり、毎日新聞夕刊に掲載されているのだから、正確に報道されていると見るしかないのである。

 正直言って、今回紹介いただいた百々氏の科学的研究は、氏の長年の学究生活の集大成であり、科学的な裏付けが備わっているのであろうが、今回の記事では、紹介者の無頓着な態度で、これまでの連載で紹介された疑問の多い諸説と同列に不信感を持って受け止めざるを得ないのは残念である。

 専門編集委員の書いた記事原稿なので、紙面編集の際の校正がされていないのかも知れないが、非科学的な態度で書かれた記事が連載されるようでは、毎日新聞に対する信頼性が損なわれているように感じるのである。

以上

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