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2016年6月13日 (月)

金星ファンタジー スーパーローテーションの光と影

金星ファンタジー 回る風車と明星の影
                                2016/06/13

〇はじめに
 ここに提示するのは、6/12付けEテレ サイエンスZERO 「No.547 探査機“あかつき”金星の謎に迫れ!」」で示された最新の「あかつき」の観測成果に観られる「高速回転する雲の層」 (スーパーローテーション)に対する説明の試みである。

 以下の発想が、新規の科学的仮説かどうかはわからないが、一応、「新説」として手を上げておくものである。

*前提の確認
 金星の雲で、かくも大規模、かつ、高速な回転が達成され、ある程度の期間維持されていることの背景には、いくつかの不可欠な要因が存在するだろう。

 一つには、雲の層が、下方から支持している大気層と異質の構造体であって、大気は雲に侵入せず、雲は大気に侵入しない、相互不可侵な状態にあると言うことである。

 雲の層の高速回転は辛うじて想像できるが、大気全体が同様に高速で回転し続けるためには、莫大な回転エネルギーが必要である。とても、維持できるものではないと思われる。雲の層だけが、高速回転しているものと思うである。
 次に来るのは、雲が、大気層といわば絶縁状態で浮揚しているとして、どこから、どのようにして回転エネルギーが、コンスタントに供給されているのかと言うことである。

*雲の風車
 ここで浮かぶのが、風車の類推である。風は、風車の羽根に向けて吹き付けられるが、風車の羽根は、軸を中心に回転する。

 もちろん、金星の場合、風が雲の下面に吹き付けて、背後に吹き抜けるわけではないので、類推には限界がある。

 雲の回転力の供給源としては、大気層しかないところであり、大気層に気流が存在したとしても、噴流が吹き上げるような混沌状態では、回転力も、てんでんばらばらとなって、観測に観られるような整然たる回転にはなるまい。いくら、雲が、大気と異質の存在で、混ざり合わないとしても、下面をはぎ取るような混沌の上に座っていたら、また別の現象が生まれるはずである。

*分かちがたい風の粒、風のながれ
 そこで、雲の風車を回転させる仕掛けを夢想する。

 まず、金星の大気は、高温、高圧で、密度が高く、それ故に、ある程度の質量、凝集力、粘性を持ったものであり、地球の大気と類推が困難なほど、液体に似た流体であると想定するのである。

 そこで、飛躍して考えるのだが、金星の大気は、渾然たる塊ではなく、無数の粗粒がひしめき合った様相になっているのではないかと言うことである。金星大気に分割できない最小単位である「風の粒」が存在するとしたら、いや、凝集力が、それ以上の分割を阻止する均衡点が存在するとすれば、そのような均衡点に至るまで分割が進み、ほぼ、大気層全体が、割れない粟粒のような風の粗粒で占められていると見るのである。

 ここで登場する粗粒は、それ以上分割できない最小単位の粒、「素粒」であり、素粒が連なって流れる「素流」もあると見る。

 「素流」が成立していれば、別に配管で分離されているわけでもないのに、複数の昇降「素流」が、互いに交錯することなく、連綿と流れていく形態になっているというものである。

*前線、あるいは、混じり合わぬ気団
 いや、地上世界でも、大気圏内には、温度、湿度、圧力の異なる「気団」が混在していて、それら気団の衝突によって、気象現象が引き起こされている。寒気団と暖気団が衝突したとき、両気団は、ほぼ同一組成の大気なのだから、自由に混じり合えるはずだと見えるかも知れないが、そうした現象は起こらない。寒気団と暖気団は密度が異なるので、暖気団が寒気団の上方に乗り上げるのである。その際、両者の界面は前線となり、前線では、寒気団によって冷やされた暖気団の(相対)湿度が上がって、含まれた水蒸気が雨や雪になって降り注ぐものである。

 大気は、熱を伝えると言うより、断熱材に近いものなのだが、前線の界面が広い面積になっていれば、そのような気温変化が発生する程度の熱移動は起きるのである。

以上

*はじまりのはじまり
 さて、話を金星に戻して、想定の起点を、金星の「地表」にとるとすると、金星大気が地表で熱エネルギーを受けた時、風の粒、つまり粟粒のようなものが周囲の大気より低密度となり、浮力を受けて大気中を上っていく、熱対流が起きるというものである。
 「粟粒」といって、「泡」(バブル)と言わないのは、内部が空洞で破裂したり押しつぶされたりするというイメージを避けたいからである。
 また、ここでは、粟粒で話を始めているが、周囲には、同様の物性の粟粒がひしめいているので、一つの粟粒が浮力を得て、浮上すると次々と粟粒が追随し、粒ではなく、糸を引く流れ、つまり、素流が発生するというものである。ということで、以下は、素流としてみるのである。
 発生した素流は、周辺の金星大気と温度、圧力、密度が異なるために、入り交じることはなく、素流のまま雲の下面まで上り詰めると単純に見るのである。流速は、おそらく、極めて、極めて緩やかなものだろう。

 

*雲の果て
 ということで、素流は、一種の壁とも天井とも見える雲の層にぶつかるが、もちろん、雲の層を突き抜けるほどの上昇力を持たないため、両者の界面で、水平方向に流れを変わることになる。そのように転進すると、上昇力が雲に対する回転力に変換される。
 素流は、雲の下層面と接して、ここまで搬送してきた熱エネルギーを与える。素流は、上昇力によって、雲の下層に衝突するので、熱移動は、高効率なものである。この結果、素流の温度が低下し、圧力が低下し、流体の密度が高まるため、下方への対流力を受けて、一転して下降流になるのである。

 

*地表回帰と顕熱循環
 素流は、地表まで下降すると、地表と接して、熱を受取り、上昇流に転じるのである。
 その際肝心なのは、下降流として流れている間、他の素流が上昇してくるのと相接することになっても、決して、互いに入り交じって、運動が相殺されることはなく、あたかも、それぞれがパイプ内を流れているように、併存していると言うことである。
 このように、地表と雲の間を熱媒体が循環するような熱搬送は、「顕熱」だけを利用するとしても、高速で効率的なものであり、地表温の上昇は抑制されるものである。

 

*混沌でなく整然たる天然
 素流が、地表と雲の下層の間を往還しているとした場合、素流が上昇したあとを埋めるような流れが追随しているはずだから、結局、金星大気は、渾然たる渦巻く世界ではなく、素流のひしめき合った、整然たる形態になるのである。まことに、天然現象と思えない整然たるからくりである。
 もちろん、以上は、大局的、観念的な言い方であって、例えば、地表の高低によって、整然たる形態が乱されるような「乱れ」、例外は、当然発生するのである。

 

*回転力の寄与
 さて、このような素流の移動によって、地表から雲への熱の移動が維持されるとして、なぜ、雲が回転するのかと言うことであるが、こういうことではないかと思うのである。
 素流は、ある程度の粘性を持って流れているから、雲の下面に衝突してその流れの方向が変わると、その方向に雲を押しやる力を与えるのである。その際に、どちらの方向に方向を変えるかというと、大変高い確率で雲の回転方向となるはずである。つまり、回転力に貢献するのである。

 

*確実な貢献
 つまり、当初は、金星の自転により、ゆっくり流れていた雲の下層で、無数の素流が、その回転方向に沿っ
て方向転換し、上昇力を(ごく、ごく僅かの)回転力として与えることによって、雲の回転を(ごく、ごく僅か)加速し、そのごく、ごく僅かな貢献の、無数
の、長期間の積み重ねが、現在観測されているような回転速度を達成したのではないか
と言うことである。

 

*結末
 以上、これは、一介の一般人の空想であって、科学的に意味のあるものかどうか、あやしいものである。
 因みに、当ブログ筆者は、理工系と言っても、電気工学を専攻し、その後、民間の家電メーカーに勤務した「技術者」であって、特に、学究に努めたものではない。あくまで、素人考えを綴っただけである。

 

 何かのヒントと言うより、冷やかしの種になれば幸いである。

 

以上 

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