YouTube著作権騒動 無限連鎖?「著作権保護されたコンテンツ」 2/3
2016/06/14
承前
*見落とされた要点
さて、以上のような大筋の議論は済んだとして、基本的な事項が審議漏れになっているのである。
*根本的な課題
「動画」は「楽曲」を著作物として使用しているかどうかである。
簡単に理解いただけると思うが、当方は、自作の動画の背景音楽として、「楽曲」を使用しているものではない。
もしそのような制作形態であれば、
「動画」=「大道芸映像」+「観衆映像」+「清水寺風景」+「背景音」+「楽曲」
のような図式が成立し、「楽曲」が、「動画」全体に占める貢献度から、その取り分が決まるものと考える。(私見である。誤解であれば、ご指導いただきたい)
ただし、このような構成であれば、楽曲と他の構成部分の分離が可能なので、当方は、順当な思考として、「楽曲」抜きの動画を制作して、置き換えるものだろう。自分の権利に付きまとう義務を果たさない怠惰な管理者に貢ぐ「自己犠牲」趣味はないのである。
*著作権の限界-事の核心
さて、いよいよ、一番判断の分かれる点に来るが、実際の動画に「楽曲」が、著作物として使用されているかどうかと言う「判定」である。先の計算式を利用するならば、以下のようになる。つまり、当方の制作意図として、著作物としての「楽曲」は使用していない。
「動画」=「大道芸映像」+「観衆映像」+「清水寺風景」+「背景音」
言うまでもないが、この大道芸は、清水寺の敷地内で清水寺の許可のもとに開催されていて、入場無料、入場制限なし、つまり、だれでも、見られる、撮影できる催しであり、当然、撮影・録音制限のないものであった。
さて、これまでの幾たびかの経験で、YouTubeの電子手段が「背景音」に「楽曲」が含まれていると検知したという時は、一致点が提供され、自分で確認せよという主義であったが、今回の処理は、問答無用で何も知らされない。
これまでの素人眼には、楽曲の特徴が検出できる限り、どのように音量が小さくても、どのような雑音が重畳されても、かなりの敏感さで検出できるようである。ただし、他の楽曲が同様の特徴点を有している場合は、混同の可能性が否定できないと思うのだが、そのような誤検知があるということは、公式には、明言されていない。
*著作権の価値
誰かが著作すれば直ちに「著作権」が発生すると言うのは、簡単だが、「著作権」とは、制作者が、芸術的な表現を行ったものであり、鑑賞者が、そのような芸術を感じ取るから「著作物」なのである。子供の泣き声、カラスの声、雷鳴などは、それ自体は、著作物とはならない。(私見である。誤解であれば、ご指導いただきたい)
それにしても、このように、大道芸の背景音の一部であって、その場の雑踏などと入り交じったものは、管理者が権利主張している「著作物」と同一なのだろうか。
雑多な音の混じり合ったものから、元々の「楽曲」を分離することは不可能であり、ある意味では、「背景音」全体が著作物としての価値のない「雑音」と見るべきではないのだろうか。(私見である。誤解であれば、ご指導いただきたい)
いや、芸人のしゃべくりは、言語情報として聞き取り可能だから、誰かの著作物の無断引用があれば、著作権侵害と主張するとでも言うのだろうか。新たな電子手段が登場すれば、新たな警告が発せられるのだろうか。
*権利の消尽-深追いの限界
言い方を変えると、管理者は、商用の著作物、「商品」として販売することにより事業を営んでいるのだから、商品から売るべき収益は、販売代金から得ているものと理解するものである。著作権管理だけで必要な収益を得ているのでない限り、通常の商品販売で必要な収益が得られなければ、収益不足で赤字事業が破綻するはずである。
今回の例で言えば、大道芸で使用している「商品」の販売で、そこに含まれている「楽曲」の利益回収は終わっているものであり、かりに、購入者が、度を過ごした楽曲利用をしたとしても、その追究は、購入者にとどまるべきではないか。(私見である。誤解であれば、ご指導いただきたい)
もちろん、時にあるように、購入者が、「楽曲」の海賊版を作成して、海賊版の違法複製商品を販売したような極端な場合は例外である。当方は、著作権侵害行為を擁護しているものではない。
管理者は、YouTube Teamの神がかり電子手段が検知可能な限り、子使用、孫使用、ひ孫使用、と地の果て、時の果てまで追究し続けるというのだろうか。著作物が一件しかないのに、無限に権利行使できるとは、うらやましいものである。
未完
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