今日の躓き石 石臼 ジューサー 真っ赤なウソ
2016/08/29
今日の題材は、特定の報道機関、特別の番組、記事のことではない。
近頃、「石臼の低速動作を活かした」と称する新しいタイプのジューサーが登場している。
当ブログ記事筆者は、別にへそ曲がりではないので、そうした画期的な動作自体には文句は何もないのだが、堂々と「石臼」を謳い上げているのは、真っ赤なウソなので、止めた方が良いと言うだけである。
何のことはない、言っている本人が、石臼を見たこともなければ、どんなものかも調べもせずに、石臼を謳い文句にしている横着というか愚劣な仕事ぶりに、文句を言いたいのもあるし、これでは、石臼に対する誤解が広がると心配しているのである。
ネット検索ですぐ調べが付くように、石臼は、石臼である。
少なくとも、大昔から、日本で使われていた石臼は、丸くて重い円筒形の下臼の台の上に、 同じく重い円筒形の上臼を回転するように載せたものである。
一口に言うと、上臼の中心に空けた穴から、豆類や穀類を落とし入れ、上臼を手でぐるりと回すと、上下の臼の間で、固くて乾いた豆類や穀類がすりつぶされ、上下の臼に刻み込まれた溝の作用で、臼の外周から乾いた細かい粉になって出てくるというものである。
こつこつと上臼を回す手仕事の粉挽きで、固くて乾いた材料から乾いた粉が取れるのである。
次の粉挽きでは、最初の内、少し前回の粉が出るが、挽いている内に今回の粉が出て来るから、別に掃除も何も要らないのである。もちろん、石臼の粉挽きでカスが出るわけもない。皮付きなら皮まで粉になるのである。
つまり、歴史的な石臼は、宣伝されているように果実類をすりつぶすものではない。大体、石臼で汁気のものを粉挽きすると、途中に汁やらかすやらが溜まって、石臼で果汁など取り出せるものではない。
そんなとんでもないことをしたら、後の掃除が大変である。とても重い上臼を持ち上げて、井戸端に運んで、ごしごし洗い、乾かしてから、元の場所に戻すしかない。
近所が、かわりばんこで借りて使っている粉挽きができなくなって、お仕置き必至である。
そんな馬鹿馬鹿しい「石臼」などありはしない。大体、石臼は、粉挽き臼であって、果汁絞り器ではない。石臼の真似をしたら、ジューサーなどできない。
多分、世界のどこかに、石造りの餅つき臼で、餅つきのように杵で果実を押しつぶす「石臼」があるのだろう。絶対ないと言うつもりはない。
ただし、それは日本の石臼ではない。
関係者一同、よく調べて、正しい売り文句にして欲しいものである。
それは、報道するメディアの責任でもある。ウソが来たら、そのままウソを伝えるのが、報道というものではない。
繰り返すが、低速で果実や野菜を絞りきる動作に文句を付けているのではない。むしろ、従来の高速でたたきつぶすジューサーにない低速の動作は、ビタミン類が失われないので、画期的なものだと思っている。
それだけに、真っ赤なウソで「石臼」もどきとあおり立てて、後世に恥かきコマーシャルを残さないで欲しいものである。
以上
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