今日の躓き石 ショパンコンクールの復讐(リベンジ)?
2016/08/28
今日の題材は、まことに残念ながら、クラシック音楽の分野である。
NHKBS-1で「もう一つのショパンコンクール」と題して、ピアニスト達を支えるピアノメーカー、特に、調律師の挑戦が描かれていた。
まあ、クラシック音楽といえども、ショービジネスの要素は高いから、例えば、高音のきらめくような響きが、多少攻撃的に聞こえても、聞く人により強く訴えるから、審査員に受け容れられ、そして、出場者、特に、優勝に近い事を意識している優れた演奏者に受け容れられる、と言うことは、自然な成り行きなのだろう。
特に、五年に一度のショパンコンクールで優勝することが、ピアニストの全キャリアを大きく左右するのだから、スポーツの世界でも殆どありえない過酷な競争であり、勝者とそしてその演奏したピアノのメーカーに絶大な喜びを与え、二位以下の者達は、とてつもない悔しさを感じるだろう。その悔しさを噛みしめて、次は勝者になろうというのは、当然である。
しかし、だからといって、番組最後の決めぜりふに、五年後の仇討ちを意味する「リベンジ」が登場したのは、どういうことだろう。ここに、番組全部を奈落に突き落とす、巨大な落とし穴を仕掛けているとは思わなかった。
それは、自然に湧いてくるものだろうが、言ってはいけない、いや、感じてはいけない野蛮な感情である。天下の公共放送、受信料を取り立てて番組制作しているNHKが、けしかけるべきものではない。
NHKの番組制作担当者は、誰一人、この台詞は、場違いで、この上なく愚劣だと思わなかったのだろうか。
競争あるところには、必ず敗者があるのだが、敗者が、負けを根に持って、復讐を誓うというのは、天下のNHKにしては、不細工な、不適当な言葉遣いである。してみると、NHKには、用語の規準はないのだろうか。
五年後、各ピアノメーカーは再登場するだろうから、血の雨が降る復讐劇に期待したら良いのだろうか。
何とも、情けないお言葉であった。
以上
« 今日の躓き石 好ましくない表現の報道方法 | トップページ | 今日の躓き石 石臼 ジューサー 真っ赤なウソ »
「今日の躓き石」カテゴリの記事
- 今日の躓き石 毎日新聞 フィギュア暫定首位の暴言(2025.11.16)
- 今日の躓き石 NHK杯将棋 対局者の「リベンジ」暴言で失望(2025.11.16)
- 今日の躓き石 NHKニュースウォッチ9 復活を目指す若者に「リベンジ」の汚名 (2025.10.27)
- 今日の躓き石 NHKBS中継アナの「ポストシーズン」盗用 (2025.10.17)
- 今日の躓き石 毎日新聞の大胆なMLB盗用 「ポストシーズン」(2025.10.12)


コメント