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2016年8月18日 (木)

今日の躓き石 好ましくない表現の報道方法

                             2016/08/18
 今回の題材は、プロの報道陣の発言や記事ではなく、選手の発言なので、厳しくとがめるつもりはない。
 卓球男子団体で、銀メダルを取った試合後のインタビューで、唯一勝ち星を挙げた選手の談話である。普通の心理状態でないのに、平静に語っていたことに感心するのだが、頭の中にも不都合な言葉が入っているのが出て来るのはどうしようもないだろうし、個人の責任を問うつもりはない。また、生放送なので、メデイアの側の不手際でもない。

 言うとしたら、特定の相手に15連敗したと言うことは、選手が成長する過程で、相対的に圧倒的な強者として、絶えず前に立ちふさがっていた巨大な壁が、自身の成長につれて次第に低く、小さく見え、今回、遂に乗り越えたと言うことだから、そうした悔しい思いの数々について、相手に「恨み」を持ついわれはないのである。
 だから、「借りを返す」と感じることすら不遜であり、まして、口汚く「リベンジ」など言うものではないと、誰かが教えてあげるべきなのである。

 それを言うなら、これまで楽々退けてきた相手に、オリンピック団体の場で、チーム唯一の黒星を喫して、メンツをつぶされた相手は、どう思えば良いのだろうか。15回貸しがあるから、これで、14回貸しになったというのだろうか、それとも、これで、チャラになったと思うのだろうか。1回借りになったと思うのだろうか。

 さて、メディアはどう談話報道するのだろうか。新聞の場合、ことさらにリベンジを見出し扱いして、この言い方を世に広げるのだろうか。子供達が、喜んで真似ることだろう。
 対決型の競技では、毎試合かならず敗者が出るから、敗者が恨みを抱いて、復讐戦を挑むのであれば、無限の憎しみあいが未来永劫続くことになる。
 何か、間違っていないだろうか

 好ましくない言い方は勇気を持って報道から除外し、報道せず、自然消滅を待ちたいものである。また、何かの折に、「リベンジ」が忌まわしい言葉だと、そっと教えてあげてほしいものである。

 当記事も、直接人名を示さないのは、攻撃して撲滅する対象ではないからである。気づいて改めて欲しいのである。

 当ブログ記事筆者は、社会の片隅にひっそり生きる一私人に過ぎない。経津に、社会改革したいのではなく、不適当な言葉とそのような言葉を言わせる思いを、何とか、いずれ遠くない時代に絶滅させたいと思うだけである。

以上

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