今日の躓き石 感心しないEテレの「リベンジ」誤用
2016/09/18
今日の題材は、NHKEテレ日曜朝の将棋フォーカス、今回は、アマ名人戦である。
正直ちょっと心配していたのだが、見ていた限りでも、「リベンジ」、それも、悪い方のやつが二回登場した。
一回目は、代表としては若い、少年と呼びたい人であったが、予選敗退の感想の最後に「リベンジ」と口走っていて、NHKは、その部分をカットするどころか、でかでかと字幕で書き出していて、何とも情けなかった。
まだ若いし、多分、言葉遣いにまで気の回る指導者に恵まれず、しゃべり方を教えてくれる人がいなかったということなのだろうが、天下のNHKの取材担当者が、悪い言葉遣いを窘めず、全国放送の形で当人の恥を後世に残したのは、プロ意識の欠如もいいところで、何とも困ったものである。
また、引き続く進行で、アナウンサーでもないのだろうが、男声のナレーションで「リベンジ」が出てきたのも、正直なところ、お粗末であった。往年のNHKアナウンサーは、アナウンスの対象となる分野について、普段から、いろいろな言い回しを練っていて、それだからこそ、実況放送でもよどみなく適切な発言ができると、随分以前に聞いたことが、長く印象に残っている。時代は変わったのだろうか。
どちらの例も、古い方、悪い方の「仕返し」、「復讐」、「血祭り」の野蛮な意味で言っているようであり、メディア最前線にいて、現代言葉がわかっていないなあと歎くのである。世にはびこっているのは、再挑戦程度の、軽い、おどけた使い方の大輔リベンジなのである。
以上、後世に悪しき遺産を残さないように、悪い言葉遣いを自制するのが、報道人の務めではないだろうか。難しいことは言わなくても、子供がまねして良い言葉と悪い言葉は、意識してほしいものである。
一部の宗教では、裁きは神だけがが下すもの、人は他人を裁いてはならない、と教えているが、当方は、不信心なので、摩擦を覚悟で言わざるを得ないのである。
ちなみに、当方は、一介の視聴者であり、NHKの放送に不満な点はあっても、代えがたい至高のメディアとして尊敬しているので、受信料を返せと言うつもりはない。
また、この意見を公式に投稿すると、関係者に伝わるだろうが、多分何らかの回答の義務が生じるので、そのような強制的な態度はとりたくないのである。もちろん、このような閑散としたブログにポツンと掲示した記事に関係者が気づくかどうかは、「縁」次第である。
以上
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