今日の躓き石 季節外れのリベンジ
2016/09/12
今日の題材は、休刊明けの夕刊なので、実質は、朝刊のつもりで読んだ毎日新聞大阪夕刊3版スポーツ面である。
今回は、共同通信の配信記事であるが、毎日新聞の責任で載せたと思うので、そう書いていくが、もし、共同通信が、見出しまで付けていたとしたら、「落ちたもんだな」と歎くのである。
「春のリベンジ」と書いているが、今はもう秋、誰も春だと思う人はいまい。寝ぼけた見出しである。記事内容を見ても、寝ぼけた話である。
全国紙の読者は、普通の人である。こんな見出しで意味が通じるはずがない。遠い昔のことなど、とうに忘れていて、この記事だけが頼りなのである。
こうした異様な言い回しは、駅売店などて売り上げを競うスポーツ紙の常套手段であり、スポーツ面記事が表面に出ない全国紙の取るべき姿勢ではない。まして、今回は見出しの不可解が記事で解き明かされていないので、単なるバカ騒ぎである。
見出しで殊更に血腥い「リベンジ」と言い立てているから、前回ぶつけられた仕返しに、ピッチャー返しで痛い目に遭わせたかと思ったが、そんな話ではないようである。
大体、前回の顔合わせに何があったか知らないが、日米通じて、つまり、世界レベルで現役最高のバッターが、はるか後進のMLB新人に対して何を根に持ったのか書かれていないから、何の仕返しかわからない。
報道にも何にもなっていない。共同通信ともあろうものが、随分杜撰な書き方である。
記事を見ると、三打席の中で手痛く併殺打を打たされているが、それが「意趣返し」なのだろうか。随分屈折した心理であり、素人である一読者には、大選手の心境を知るすべもない。
そのあと、単打が一本あったようであるが、三打数一安打で併殺打ありでは、捻られたというのは言い過ぎとしても、抑えられたとしか思えない。記事には、そうした経過だけ書いているのだが、見出しでわざわざ記事にない野蛮な言葉遣いをした趣旨がわからない。
こうしてみると、共同通信も随分落ちたものだと思うし、記事はともかく、的はずれて、常識を疑われるような見出しで紙面に載せた毎日新聞も、相変わらず、紙面校閲の箍が緩んでいると思うのである。誤字誤記だけが、校閲の対象ではないだろうと思うのだが。
それにしても、相手チームの主力打者が二人抜けて攻撃力が落ちているのに、ずるずると失点した敗戦投手は、やはり責められると思うのである。六回三失点は、当人にしたら、くやしかったろうと思うのであるが、くれぐれも、「仕返し」などと言わないようにお願いしたい。「復讐」は、キリスト教に限らず、神の行いであるが、スポーツの負けを神様に持ち込まれても困るのである。
いや、毎度のお断りだが、当方は、一読者であって、関係者に対して色々指示する権限などない。素人目にもおかしいと思うことを、正直に指摘しているだけである。見当違いかも知れないが、意見は意見である。
それにしても、日曜日の朝刊では、広島カープの優勝報道で、有力メンバーの顔見せがスポーツ面上部にきら星のごとくカラーで整列、と言いかけたが、半分の七人は白黒で「差別待遇」であったのには唖然とした。ついでだから、ここで指摘しておく。
以上
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