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2016年9月14日 (水)

今日の躓き石 違和感とごまかす「ごますり」批評

                           2016/09/14 
 いや、今回は、ネットポータルであるITMeidaの下記記事を読んで、訳のわからない日本語に「違和感」をおぼえ、そして、これは、メーカーの詐称をかばい立てしている「ごますり」記事ではないかと感じたのである。

iPhone 7 Plusの「2倍光学ズーム」って違和感ない?

 当方は、当該メーカーのサイトにアクセスして、事実調査する気もなければ、業界の常識を調べる気もない。当記事の書きぶりについて、自身の知識に基づいて批判するだけである。

 いや、書かれていることを受け止めるなら、これは、違和感などという訳のわからない日本語で茶化すものではない。性能を偽って表示しているのに、そう指摘しないのはどうしたことだろうか。
 当方は、カメラの業界人でもなんでもないので、素人のうろ覚えになるが、ズームレンズは、元々映画撮影用のレンズの(当時としてはめざましい)機能を指すものであった。
 例えば、被写体となる人物(主人公やヒロイン)を広い背景の中に捉えていたと思ったら、連続的にアップしていって、大写しになるという強烈な効果であり、しかも、其の間、焦点が合っていることが格別の効果を示すものであった。このようなダイナミックな「ズーム」効果を実現できるのが、ズームレンズであった。(Zoomは、アメリカンコミックの擬音表現の流用であった)という風に記憶しているのであるが、何分素人のうろ覚えであるので、事実認識が間違っていたら指摘戴きたい。

 ちなみに、それまでの常識は、複数の焦点距離のレンズをタレット式に切り替えるものであり、当然、連続して撮影倍率を変えることはできなかった。

 また、コンピューターによるレンズ設計が殆ど不可能に近かった時代であり、ズームレンズの機構が大変、大変複雑であるため、大変、大変高価になるので、焦点位置を維持しない、単に焦点距離を可変としただけの「バリフォーカル」なる代替物が出回ったほどである。動画でなければ、それでもある程度希望する効果が出ると言うことのようだったが、早々に姿を消している。

 この記事で取り上げられているのは、そうした「原始的」な切り替え方式であり、書かれているように、「ズーム」機能の無いものをズーム呼んでいるとすれば、それは、詐称である。つまり、大嘘である。

 二焦点切り替え式のカメラは、フィルムカメラの後期のコンパクトカメラで、広角と望遠の切替えができるものが結構好評であったが、これを、「ズーム」と呼ぶようなメーカーはいなかったはずである。当時は、まだ、工業界としての倫理も仁義も健在であったはずである。

 記事筆者は、適確に問題点を指摘しておきながら、当該メーカーが「正確さより分かりやすさ」を重視したのかなどと持って回った言葉で「お茶を濁している」が、機能を偽っていて「わかりやすさ」というその心は、ウソをつくことを選んだメーカー姿勢を(内心手厳しく)批判しているようにも見える。

 大変、鬱屈した言い回しだが、生活のかかっているプロの保身なのだろうか。ちなみに、幸か不幸か当方は一介の私人であり、当ブログへの執筆で何も収入を得ていないので、今後、取材拒否されても広告入稿を止められても、何も失うものは無いので、自分の信じるままに書くのである。

 それにしても、戦後の業界萌芽期以来、着実に形成されていた健全なカメラ業界が崩壊して仁義も倫理も何もない、闇の世界になったと言うことなのだろうか。
 いや、崩壊していない、まだ健在だというなら、どんなルールで、このような言い抜けがまかり通っているのか、素人にもわかるように教えて戴きたいものである。

 記事筆者の誤解で、当該メーカーの本意が伝わっていなかったとしたらその点では失礼であるが、当ブログ記事は、あくまで、ネット記事の報道姿勢の批判である。誤解なきように願いたい。

以上

 

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