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2016年10月19日 (水)

毎日新聞 歴史の鍵穴 懲りない地図妄想 1

天智の宮と聖武の宮 日吉大社とつながる
 =専門編集委員・佐々木泰造

          私の見立て☆☆☆☆☆☆                2016/10/19

 今回の題材は、歴史の鍵穴の今月分であるが、またまたもやもや、地図幻想を蒸し返しているので、指摘を繰り返さねばならないのである。

*後世知の戒め
 前回記事で、2009年の「国立歴史民俗博物館研究報告」第152集掲載という論文「水林 彪 古代天皇制における出雲関連諸儀式と出雲神話」を引き合いにしているが、冒頭で提起されている戒めを読み損ねているのだろうか。

 8世紀の事を論ずるには,何よりも8世紀の史料によって論じなければならない。10世紀の史料が伝える事実(人々の観念思想という意味での「心理的事実」も含む)を無媒介に8世紀に投影する方法は,学問的に無効なのである。

 当然、8世紀の事を論ずるのに21世紀の認識を適用することは学問的に無効だと言うことは言うまでもない。

*前提「技術」
 と言っても、指摘の論点をできるだけ変えていくことにしているので、今回は、「カシミール3D」に関する指摘を言い立てたい。
 いや、記事筆者は、ずぼらをして「地図ソフト」などと言いくるめているが、実際は、「カシミール3D」は、国土地理院の数値地図を利用する、「地図ブラウザー」(地図データを表示、流し読みするもの)であって、自力で地図を創作しているものではないから、表示され、印刷されている地図に責任を負わせられるものではない。
 科学技術的に肝心なのは、地図上の各地の地理データは、国土地理院の提供したものだと言うことである。前提技術は、明確に表記すべきである。
 国土地理院の数値地図は、近年になって、衛星からのデータを利用して校正されているというものの、本来は、全国にくまなく巡らされた三角点を実際に測量して得られたデータをもとにしているのである。

*科学に基づかない科学論
 記事筆者は、色々資料を取り出して蘊蓄を加えているが、今回も臆面もなく掲示されているような「地図」を根拠に、当時の為政者の配置の動機を忖度するのは、非科学的な妄想と言われても仕方ないのではないか。

*現実世界の有り様
 現在の技術を持ってしても、0.14度とか0.37度とか、1/100度の精度で論ずるのは、無意味である。それにしても、当シリーズの表記は、従来、0.1度単位であったが、今回は、0.01度に単位と超絶的な高精度になっているのは、一段と不可解である。全周360度に対して、一万分の一、0.01度の精度で測量する手段は、現実には存在しない。恒温恒湿、無振動、無塵の測定室が必要であり、おそらく、体温や呼気の影響を避けるために無人化する必要があるであろう。つまり、今後如何に技術革新があっても、現実の生きた世界に適用するのは、無理というものである。

未完

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