今日の躓き石 不相当なデジカメ焦点距離は誤報ではないか
2016/10/14
今回の題材は、デジタルカメラ新製品紹介記事の「アラ」である。別に、殊更に探し出しているわけではない。堂々と書き出されているのである。
当ブログで幾度過指摘したように、ITmedia LifeStyleのデジカメ分野の記事が、しばしば「たが」の緩んだ粗雑な記事になっているのは感じていたのだが、今回は、粗雑どころはない。明らかな誤報である。
ソニー、1型コンパクトカメラ「RX100 V」発表 シリーズ初の像面位相差AFセンサー、AF・AE追従で毎秒約24コマの連写
記事冒頭の仕様紹介で書かれているのは、「レンズはZEISS Vario-Sonnar T* 24-70mm F1.8-2.8となる。」の断定表現である。
メーカーの発表資料のせいかと思ったが、サイトでわかるように、また、製品の写真でもわかるように、搭載されているレンズの仕様は、次の通りである。
レンズタイプ ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ(レンズ構成:9群10枚(AAレンズを3枚含む非 球面レンズ9枚))
F値(開放) F1.8(ワイド端時) -2.8(テレ端時)
焦点距離 f=8.8-25.7mm
つまり、「レンズは........24-70mm F1.8-2.8となる。」と書いているのは誤報である。
24-70mm(相当)と書けば、誤報のそしりだけは免れるが、それでも、レンズの実焦点距離を書かないのは、専門サイトとして、あまりにも不用意である。
当ブログでは、レンズ焦点距離が、イメージセンサーのサイズ次第で、視野角の異なる不明確な仕様になっていて、消費者に混乱を巻き起こしているのに、一向に整理されないままに放置されていることを歎いて、何か交通整理が必要であろうと提言しているが、だからといって、性急に結論に飛躍して(長年の伝統のある)業界の技術基準を無視して、いきなり相当表示にするべきだと言っているわけではない。
と言うことで、今回も、カメラ業界と関連報道機関の無定見と混沌を思わせる嘆かわしい記事だと指摘するにとどまったのである。
以上
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