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2016年10月17日 (月)

今日の躓き石 Uniqueと「ユニーク」の違い?

                             2016/10/17
 今回の題材は、NHKBS-1のメジャーリーグ中継である。と言っても、不適切な発言があったというわけではない。単なる、些細な聞きとがめである。

 現地でコーチの談話として(ピッチャーとして不規則な起用に応えるという意味で、なのか)「ユニークな選手だ」と評しているのが紹介されたのを、アナウンサーが聞きとがめて、英語のUniqueとカタカナ言葉の「ユニーク」は意味が違うのかとつぶやいたのだが、そのあとフォローがなかったので、カタカナ語にうるさい当ブログ筆者が、辞書を調べたのである。もし、現地コメントの翻訳の際の配慮不足だったら、指摘する必要があると思ったのである。

 結論として、辞書に載っている意味はほぼ同一である。どちらも、肯定的という範囲を上回って、絶賛に近い褒め言葉である。「比類のない」「抜群の」投手という意味で、ある意味、日本の二刀流投手も、不規則な起用に応えるという意味では、その部類である。現地コメントの翻訳者は、正しい用語選択をしたのである。

 と言うことは、当のアナウンサーは、これらの(辞書に載っている)正当な意味でなく、(俗語としてはびこっている)「変わり者」的な否定的な意味として常用しているのだろうか。ちょっと、プロとしての見識に首をかしげるのであった。

 現地コメントの翻訳者は、次から、カタカナ語の曲解を避けて、「ユニーク、つまり、他に例のない抜群の」と丁寧に言葉を足すことになるのだろう、何しろ、NHKアナすら、否定的に取りかねないと言うことなので、報道に携わるものの義務として、なにより誤解を避けるべきなのである。

 また、NHKアナウンサーほどのものであれば、このようにちょっと疑問を感じたら、すかさず検証して、自身の理解が正しいものからずれていたら、自身の「辞書」を訂正するのが、たしなみだと思うのである。
 少なくとも、その場の思いつきを見当違いのつぶやきとして電波に乗せるべきものではないのである。NHKアナの言葉は、世の人々のお手本なのである。

 もちろん、当方は、NHKの役員でも何でもない。単なる、一視聴者なので、聞き流されても文句は言えないのだが、筋目を糺すのが当方のささやかな「勤め」なので、書き募るのである。

以上

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