将棋談義 天段の勧め 加藤一二三九段に寄せて
2017/01/20
今回は、将棋界の不世出の偉人である加藤一二三九段に寄せるものである。
ご承知の方も多いと思うが、将棋界の段位は、長い間八段が最高であったが、やがて格別の業績を示した大棋士に対して、例外的に、八段を超える九段が認められたのだが、それが、いつしか拡張されて、そこそこの大棋士は、タイトル獲得などの積み重ねにより九段を名乗れるようになった。
しかし、それでは、加藤一二三九段のような格別の業績を残した特別な棋士に対して、並の九段ではない、格別の棋士であるという格別の称号ではないと言うことになった。
そこで提案したいのは、「天段」の新称号である。見たとおり、段位の呼び方であるが、(今度こそ)最高段位の主旨である。
すぐ思いつきそうな「十段」は、かつて、将棋界のタイトルにあったし、囲碁界には今も存在するタイトル称号である。
それ以外にも八,九の次が十だと、いずれ十一,十二となるかも知れないと思わせるのが難点である。それに対して、「天」は極上の極みであり、その上はないと感じさせる。いわば、究極の段位である。
仮に規準を示すとすると、プロ棋士キャリアの通算勝数、敗数、何れかが一千以上、ないしは、対局数が二千局以上であることである。タイトル全冠制覇も「天段」て称揚する価値があるのではないかという声もありそうである。
数で積み上げるのは、まことに素朴な指標であるが、長年に亘って現役にとどまり、かつ、相当の好成績を収めた時期がなければ、達成できない数字であることは、ご承知のことと思う。
「てんだん」は、言うまでもなく、十段(Ten Dan)のしゃれでもある。
中国語で、「天」は神様のことであり、「天段」の発音は、日本語の「テンダン」とは少し違うが、まあ、無理にカタカナで書くと「ティエントゥアン」であり、おぼえやすい程度に似ているので、国際性のある囲碁界にもお勧めしたい。(くれぐれも、タイトル称号で商標などにしませんように)
と言うことで、(できれば、現役の間に)「加藤天段」と称揚することを提案するのである。
以上
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