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2017年2月26日 (日)

私の本棚 尾崎康「正史宋元版の研究」汲古書院 3/7

        私の見立て★★★★★                   2017/02/26

*至宝の民業化
 南宋での宮廷儀礼復活に載して、先史以来の祭祀青銅器を失ったために、青銅器の形状を青磁で復元したとされている。緊急事態ゆえに門外不出の官窯青磁の技法が民窯に開示されたと見ている。

 余談であるが、金軍の略奪破壊には、国家行政の基本となる戸籍、地籍などの台帳類や律令に始まる法令類のように政権運営に不可欠な資料も含まれていたはずである。太祖趙匡胤の「石刻遺訓」のように宰相すら見ることを禁じられていた秘事まで置き去りにするほどだから、責任者不在の中、逃亡するしか無かったようである。

 宋なる往時の中原国家は、ほぼ全壊し、残された骨格も火だるま状態になっていたと思われる。
 以上は、当ブログ筆者の私見である。

2 復興の道
*文物復興の歩み

 以下、正史刊行という当方の関心分野に視点を移すと、このように、南遷後の宋朝は、刊本制作拠点の地方分散の甲斐も無く、三史に始まる正史原本がなく、失われた正史刊本再刊にも版木がなく、無い無い尽くしの事態に陥ったのである。

 唯一の救いは、刊本再構築に要する刻本、印刷、製本などに要する人材、機材が、民間に残されていたと言うことである。つまり、北宋期の民間経済の発展は高度な刻本技術を民間に伝え、優れた民間刻工が勢揃いしていたのである。これは宋代刊本に添付された刻工一覧などでわかるのである。

*長江燦然
 南朝時代に興隆した長江経済圏は、流域の稲作食料並びに茶葉の供給力と併せて、金の制覇した中原経済圏を圧していたものである。先立つ南朝歴代王朝は、中原回復の使命感に囚われて、軍備に財力と人材を消耗し衰亡の一途を辿ったのに対して、南宋は、毅然と国政を保ったと言える。

 いわば、民間経済力により、南宋は金を経済的に圧倒し、南北の抗争は、一種、均衡を保ったものである。

 以上は、当ブログ筆者の私見である。

未完

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