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2017年4月

2017年4月24日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞の悪弊~消えないリベンジ依存症

                            2017/04/24
 今回の題材は、毎日新聞大阪第13版スポーツ面のボクシング記事である。

 ご丁寧に「リベンジ」と見出しを打ったあげく、本文も、「リベンジ」で書き出している。ここで、ここにいる読者は、当の記事をゴミ箱に放り込んだのである。
 と言うことで、また、子供に言い聞かせるように、叱り付けるのである。

1.生きてはびこる「リベンジ」!
 まず、罪の少ない方から行くと、この記者は、近年、スポーツ界でのリベンジは、「再挑戦」の意味で専ら使われていると言うことを知らないようである。だから、見出しで「リベンジ」と絶叫しても、読者は、記者の意図と違う受け止めをするのである。記事を読んで、何だ、「リベンジ」の意味を間違えている、としか思わないのである。

2.忌まわしい「リベンジ」!
 記者の意図しているらしい「リベンジ」は、世界にはびこる紛争、テロを肯定する言葉であり、忌まわしい言葉なので、禁句にすべきだというのが、ここで説き続けていることである。
 欧米での血腥い報復が紙面に報道されるたびに、情けないと思うのである。と言って、欧米側が、報復していないのではない。大規模なテロ被害に対して、十字軍に例えて、自ら、聖なる報復戦を宣言した米国大統領がいたことは、記憶されているだろうか。報復への報復への報復...が延々と続いているのである。

3.「リベンジ」はメンタルドーピングか?
 そもそも、スポーツの世界で、やられたらやり返す、と言う言い方は、そうでも言わなければ、選手の闘志が不足するという見方なのだろうか。
 世界チャンピオン戦に挑むというのに、無理矢理「報復」を言い立てないと、気後れで縮み上がるとでも言うのだろうか。選手に対する侮辱ではないだろうか。
 もし、復讐心で闘志が沸き立つというのなら、それは、感情の部分、つまり「メンタル」の部分に、外から危険な「興奮剤」を投与するようなものであり、メンタルドーピングの類いではないのか。

 

「リベンジ」は、こんな風に随分問題の多い言葉であり、全国紙である毎日新聞の紙面を飾るべきものではないと思うのである。

 そして、タイトルマッチで負けたあげく、このようなまがまがしい言葉を浴びせられると言うことは、当の選手に対する侮辱そのものだと思うのである。担当記者は、戦わないから負けることがない神のごとき立場にあるが、だからといって、何を言っても良いものではないと思うのである。

 以上、一介の定期購読者の個人的な感想であるから、別に、聞き届けなければならないというものではないが、一考頂けないものかと思うのである。

以上

2017年4月20日 (木)

今日の躓き石 論理では語れない魅力の怪 引退談話

                           2017/04/20
引退 浅田真央さん=芳賀竜也(東京社会部、前東京運動部)

 今回の題材は、毎日新聞大阪第13版オピニオン面の「記者の目」のフィギュアスケーター引退に関する囲み記事である。例によって、毎日新聞の報道の姿勢と言うか書き方について、低次元の事項を主体にコツコツと指摘して批判しているので、気が向く方だけ読んでほしいものである。それにしても、サイトで見ると、何という自己宣伝記事なのかと食いつきからすべっている。

 当記事は、本当は、フィギュアスケート選手の引退の弁にかこつけて、現東京社会部(前東京運動部)有力記者の運動部「引退」の弁らしい。中々工夫を凝らした異様な運びで語られているので、見出しの提示の仕方を含め、「悪意」を感じさせる「手口」を冷静に指摘させていただく。

 紙上の大見出しは、唐突に”論理では語れない魅力”とあるが、「魅力」とは、観客の心の中で響くものであり、もともと論理的でないのは自明である。また、論理で「語りきれない」と言うならともかく、「語れない」と否定的に断言するのは、記者の神のごとき論理(意味に限定のない言葉)では、選手に魅力は検出されず、支持者が感じていた魅力は、全く反論理、非論理、不合理であったと言いたいように見える。
 新聞記事構成の常道で、見出しは見出しで、大変重要であり、このコラムの論調を不吉に示していると受け止めるのである。

 その後、記者は、独自の世論調査のデータ(ツイッターのアンケート機能で693回答)をもとに、オリンピックでの活躍では、銀メダル獲得より逆境からの挽回に魅力を感じる人が多いことを取り上げ、およそ、「結果」を問われるスポーツの「論理」では語れない(割り切れない)選手だと感じたと導入部を締めている。
 なぜか、ここでは、字書に載っている普遍の言葉である”論理”ではなく、曰く付きの”スポーツの「論理」”と書いている。なぜ、言葉を色分けするのか、なぜ、見出しが    ”「論理」”としていないのか不可解である。

 次の段の小見出しで、わざわざ「普通の人から圧倒的な支持」とあるのも、支持者への微妙な、しかしててひどい批判を含んでいるように見える。ただし、ちょっと読み進めると、記者は、運動部記者として、神のごとき客観報道を保ってきたのに、読者から届いた批判的な意見を冷静に受け止めることはできなかったようである。

 記事に対する意見を、わざわざ新聞社に書き送るのは、批判的なものが多いのは理の当然である。これに対して、言葉のあちこちに記者の湿った感情が込められているのは、何とも、うじうじしていて見苦しいのである。

 寄せられた「意見」は、当然呼び捨てであるが「意見は時折、」と不思議な読点を入れた後、ベタで読むべき「お褒めの言葉」と、もっと、もっともっとと媚びを売るように敬称付きで続けていて、読者は、文章の乱れに躓いて読み返す、中々狡猾な仕掛けになっている。
 一方、棘のある「批判」はベタである。記者は、「お褒め」が少ないとは言わず、「批判」の数が多いのを責めるのである。

 メールの件数は知らないが、『載るたびに「悪意に満ちている」とのメール』「なぜ日本の宝をたたえないのか」と型取りされて引用されると言うことは、まさかコピペではないだろうが、少なくとも、それぞれ二件以上の同文の事例があったと言うことだろう。

 問題は、記者自身が、批判を反省材料にできるかどうかである。ところが、「批判」と言いきって、「お叱り」とは言わず、また、具体的な事例を挙げた後、自身の神のごとき論理に対する考察を感じずに、非論理的な指摘の語調の厳しさに身震いしたとしか書かないのである。
 まず、ネタにされている「写真」(非開示)に、撮影者が求めたのは、選手の魅力を捉えた「もっとも美しい」瞬間であったはずだが、現実には幻滅するようなカットしか取れなかった、謙虚に最高の瞬間を捉えられなかった失敗と受け止めるべきものではないか。
 実際に、こう見えていたのだから仕方ないじゃないか、と誌面に投げ出した姿勢を批判されているのであり、対象の姿を適確に捉えきれなかった不手際への反省は示されていない。

 冷静に言うなら、掲載写真は、「現実」の一瞬、それも、ある特定の角度、距離からの限られた視線が捉えた一つの姿であり、適確に撮れなかった無数の画像がどのようなものであったか知り得ない以上、たまたま撮れた画像を紙面掲載すべきかどうかは、報道の本分に関する極めて高度な判断に属するものなのである。
 それが、撮影者の自己満足の具になったというのは、もったいないものである。撮影者の神のごとき論理は、冷静な批判の目で試されるべきなのである。

 と言うものの、この記事は、当の記者自身の意見や判断を示していないので、ここに掲載する意味が不明である。自分の意図で無いと言いたいのであろうか。

 総じて言うと、批判的な意見は、記事の論理に反発しているのであるから、いわば記者の本意が理解されなかったとするなら、それはコミュニケーション技術の未熟さなのである。

 しかし、当の記者は、人の批判をまともに受け止めて咀嚼するのではなく、「クレーム」として、むしろ理不尽な言葉の暴力として、むしろ受信拒否して排斥したいもののようである。「クレーム」の対象となった「短所」指摘の記事が例示されていないので、批判が妥当なのか不当なのか、判断のしようがない。『「読者の声」のあまりの強さに身震いすらした』とあるから、記者が、身辺に不安を感じ、また、感情的にひどく傷ついたことしかわからない。
 原因として、科学的データを無神経に利用して読者の憤激を買ったのではないかと想像するが、別に根拠があるわけでは無い。記者が、当記事読者に対して補足説明さえ加えないので、そう勝手に思うのである。

引退 浅田真央さん=芳賀竜也(東京社会部、前東京運動部)

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2017年4月 5日 (水)

YouTube著作権騒動 素人動画の迫害を憂慮する

              2017/04/05
 今回の題材 
 大道芸人ひろとの軌跡 1 京都 2009春 リマスター Juggler Hiroto 1 Kyoto

 事態の展開を見ると、どうも、公開以来二年近くなって、Sony Music Entertainment (Japan) Inc. が管理している著作物である楽曲の一部が、YouTubeの電子的手段により、当動画の音声部から検出されたらしい。

*広範な影響の危惧
 本動画の公開が停止しても、当方の動画全体の一部であり、同一公演の別バージョンを公開しているので、特に影響はないと感じている。(当動画の支持者に対して、迷惑をかけるのは申し訳ないが)
 ただ、今後とも、自身が取材した路傍風景の動画を公開する際に、それこそ耳を澄まして背景音を聞き取らなければ、このような心外な事態に晒される危険があるとしたら、それは、大変不愉快としか言いようがない。

*映り込みの問題
 ちなみに、誤解を避けるために説明すると、当動画は、自身の制作した動画に市販音源を使用したものではない。それなら、純粋に楽曲の著作権侵害を問うことになる。
 
本件は、あくまで、公開の場で撮影された動画の音声部に関する議論である。

 大事な点なので繰り返すと、当動画が、主張されている楽曲そのものを音声部としているのならともかく、下記したように、一連のジャグラー演技の一部の背景としてその場で聞けたものが、特に作為することなく記録されているに過ぎない。

*使用制限不承知
 当方は、公開の場所での演技を通りすがりに記録したものであるが、当日、使用した楽曲を明示されたわけでなく、撮影、録音に関する制限を示されたものではない。知らされていないことは知らないとしか言いようがない。

*契約の範囲と消尽
 当方は、もし、楽曲の著作権者が、このような形で映り込むことを許可しないものとすれば、ジャグラーとの間で契約を締結して、公演の際にそのように明示させるべきであると考える。契約内容について、局外者に文句を言うのは、不法行為であると考える。
 言い方を変えると、この程度の楽曲の使用制限については、楽曲の購入者との間で完結しているものと理解している。

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