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2017年5月10日 (水)

今日の躓き石 ハードルへの誤解蔓延を憂う

                          2017/05/10
 今日の題材は、毎日新聞大阪夕刊第三版「夕刊ワイド面」のニュースアップなる大型コラムである。

 いや、紹介されている人物やその業績に何も異議はないのだが、担当記者が、開発者その人が多大な困難に立ち向かったことを形容するのに、仰々しく「ハードルは幾重にも重なった」と言い放っているのに抵抗を感じたのである。

 元々、比喩の「ハードル」が、見当違いの誤解であることはいうまでもない。陸上競技のトラックに並べられるハードルは、走者が飛び越えられる高さであり、足が掛かればすぐ倒れてしまうものなのである。いや、そもそも、ハードルを飛び越えずに突き倒しても良いものなのである。だから、人が直面する、時として克服できない難関とはまるで違うものなのである。
 私見であるが、報道関係者の比喩辞書から「ハードル」を抹消すべき時が来ているのではないかと思うのである。

 特に、今回、ものものしく「幾重にも」と書いているのは、失笑してしまう。元々、ハードルはコース上に何台も置かれているものであり、殊更に「幾重にも」と言うのは何の意味もない冗句になっている。
 担当記者が不勉強なのか、鈍感なのか、それにしても、誰も紙面に掲載されるまでに不適当な比喩を指摘しないのは、まことにもって不都合な話ではないかと思うのである。言葉の本意を確認せずに、的外れな比喩を自己流に拡張して世に広げるのは、全国紙の有力記者に相応しい所業とは思えないのである。

 因みに、陸上競技で越せないように設定されるのは、高跳び競技の「バー」である。高跳び競技のバーは、クリアされるたびに高くされ、誰もクリアできなくなったら、その際の競技が終了するというものである。このあたりは、中高生でも授業で習うものではないだろうか。それはさておき、このような成り行きは、世間の荒波に、多少なりとも相応しいものではないかと思うのである。

 バーの意義は、日本文化にも同様に浸透していて、寺社で、参詣者の立ち入りを制限する場合には、特に注意色など塗られてない素の竹棒などを水平に渡して、意思表示しているほどである。ただし、簡単にまたげる「バー」は、示された意図が読み取れなければ、軽々とまたげるものであるから、例えば、異文化に属する外国人には、全く通じないのである。

 言葉の誤解、誤用は、世間に広がってしまえば、大変な努力をもってしても駆逐できないのであるが、良識ある言葉の護り人たる毎日新聞記者は、以上の趣旨を別途確認して理解の上、ハードルでなくバーを紙上に掲げるべきである、などと、一購読者は思うのである。

以上

 

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