今日の躓き石 野球界での「人生」大安売りに「違和感」
2017/06/12
今回の題材は、毎日新聞大阪第三版スポーツ面、野球関連記事でたまたま目についただけで、発言者個人の問題でないことは知っているのだが、何かのきっかけとして受け取っていただきたい。
その一として、ある投手がWBCの舞台で「人生最大に緊張した」と述べている。そりゃそう実感したのかも知れないが、当人は、まだまだ発展途上の選手であり、プロ野球選手のそれまでのキャリアで味わったことのなかった緊張「感」だったのだろうが、この記事を今読まされると、何のことかと疑問を感じる。
プロ野球選手にとって、「野球」が人生の全てかも知れないが、まだこれから随分選手のキャリアが続くはずだし、指導者としてのキャリアもあるだろうし、その後も、生きている限り、人生はあるのである。
まだ、総決算したわけでもないのに、「人生」の大安売りはして欲しくないものである。
プロ野球選手にも、家庭があるし、そうでなくても、野球が人生の全てではないはずである。限りある人生の一部分ではないかと思うのである。
一流の選手は、人生の安売りはしないものではないか。
その二は、大学生の発言であるから、考えの足りない言葉を報道した毎日新聞担当記者に責任はあるのだが、「人生最後の試合」のつもりで試合に出たというのは、まことに、大げさな大安売りである。なぜ、「投手としてこれっきりになっても良い」、とかもっと穏やかで決然とした言い方をしないのだろうか。いや、当人がそう感じてそう口走ったとしても、それをそのまま報道されると、毎日新聞の報道姿勢に「違和感」を感じて、率直に意見せずにはいられないのである。
その時の真意として「死ぬ気で」と口走っても、本当に死なれたら、自チームだけでなく、相手チームにも重大な心の傷を与えるのである。「命がけ」の大安売りは、いい加減にして欲しいものである。人生は大学一回生で終わるべきではない。大先輩も、母校の優勝を強く望んでいても、大後輩にそのようなことは求めていないはずである。
そんなつもりはないというのなら、人生の大安売りは止めて欲しいものである。
以上、全国紙が、人生の大安売りを褒め称えているかのような報道をすることに強い疑問を感じるのである。
以上
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