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2017年7月 4日 (火)

今日の躓き石 “35mmフィルム”とはどういう意味か?

                                                         2017/07/04
 以前当ブログに書いたように、当ブログ筆者は、「デジカメ業界」が、いろいろな面で消費者を誤解の落とし穴に誘い込む横着さにあきれて、その中でも、レンズ焦点距離に関するいい加減な態度にあきれて、何度か記事を公開した。
 今回、そのような業界をほったらかしにしていたメディア側から補足説明があった。
 

 しかし、この記事は、導入部で大事なところが抜けているのと、肝心なところで、改善提案がないのに恐れ入ったのである。
 導入部で大事なのは、“35mmフィルム”の説明がないことである。その説明抜きに、「35mmフィルムと同じ大きさのフルサイズセンサー」などと勝手なことを言っているが、“35mmフィルム”がどんなものか説明しないで、その大きさもないものである。

 実際、“35mmフィルム”と称しているのは、一枚一枚大きさがあるものではなく、ぐるぐるとロール巻きになっている。
 映画撮影用に作られたものだから、フィルムの撮影可能な部分の幅26ミリ程度に高さ18ミリ程度、幅24ミリ程度の駒を、1秒24コマ程度の速度で次々撮影したものである。
 そのフィルムを静止画(スチル.)用に利用したのが、フィルムに撮影するカメラであり、その一コマは、ほぼ幅36ミリ、高さ24ミリ程度であった、ということである。

 いや、このように「35mmフィルム」なるものをちゃんと説明するのすら、道のりの半ばまでで一汗掻くのである。まだ、そうしたフィルムを35mmフィルムと呼ぶか説明できていないし、シネ版(ハーフサイズ)の話も済んでいない。丁寧に説明するのは、参加メーカーから会費を取っている業界団体に任せたいのである。

 その後に、ようやく「換算」の意味を言わねばならない。いや、「換算」がきっちり定義できていたら、業界団体のサイトで公開すれば、お互い、余計な説明などいらないのである。

 何がまずいかというと、“35mmフィルム換算”なる、字数は多いが意味不明確な言葉なのである。10文字を費やして意味不明では、情けないとしか言いようがない。説明が説明になっていないのである。

 当ブログ筆者は、ニコンが採用した「相当」に賛成なのである。二文字で要点を示している。言葉の説明は、工業会の責任で、統一された数ページの説明記事を公開し、合わせて、換算などと賢そうなことを言わずに「相当」と概算計算するのが良いのである。どのみち、広角レンズの焦点距離の1mmは、厳格に計算しがたいはずである。あくまで、目安である。

それが、解決策の一端ではないかと思うのである。

 当ブログ筆者の提案は、いたって、単純明快で、換算/相当焦点距離の前に、Lを付けようというものである。どのみち、限られた文字数では趣旨を説明できないから、字数は少ない方が良いのである。もちろん、Lとでもつけないと、レンズ焦点距離という規格値を偽った表示になるのである。

 当記事の悪いところは、こうした混乱が業界の怠慢によるものであり、後世に恥をさらしていると率直に言わないからである。そうして、混沌とした事態の解決策を提案しないからである。

 凡そメーカーは、自身で製造・販売する工業製品の性能、仕様を、消費者に明確に伝える義務があるので、今の状況は怠慢で済まないのである。現状は、消費者保護の精神に反する、一種不法行為に近いのである。

以上

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