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2017年7月16日 (日)

今日の躓き石 一向に晴れないサッカー界の「フィジカル」の闇

                                                         2017/07/16
 今回の題材は、NHK Gの『天皇杯全日本サッカー選手権「3回戦ダイジェスト」』番組である。

 番組の趣旨としては、各試合のハイライトに基づく試合講評なのであるが、今回は、いわきFCのチーム力強化策である「フィジカル」を言い立てている。

 NHKの報道であるから、この不安定なカタカナ語が解明されるかと思ったのだが、結局、混沌は混沌のままであった。

 紹介された選手のトレーニングの様子を見た限りでは、瞬発力など、具体的な強化項目を選定すると言いつつ、表に出ているのは筋肉増加、筋力強化が主体で、ぶつかり合いを有利にしようと言うことらしい。
 それは、誰でも知っている「フィジカル面の強化」、「体力強化」であって、「フィジカル」などと文法外れで意味不明な「けったいな」造語を駆使する必要はないのではないか。いや、社長が、監督、コーチや選手にどう言うかは、内輪のことなので勝手だろうが、NHKの取材を通ジて、一般人に向かって得々と言い立てるものではないと思うのである。

 なお、引き合いに出されているラグビー界の「フィジカル」は、身長、体重、体形などではなく、選手自身が、自分の瞬発力、走力、持久力、背筋力など、数値測定できるデータで自身の体力を評価することから、具体的な筋力強化などの指針としているらしい。以前のNHK番組でそのように学んだのである。

 つまり、ラグビー界でフィジカルと言えば、単に、筋トレ、筋肉を増量することではないと思うのである。こうした点は、素人の意見など聞く必要はないのだが、選手の体形などの外見観察で憶測するのでなく、一度、当事者の意見を確認した上で、適確に趣旨を説明されたらどうだろう。今の言い方では、ラグビー選手を集めてチーム編成するのが、最善策のように聞こえてしまうのである。いや、失礼な言い方とは思うが、素人にはそう聞こえたのである。

 それにしても、自身の信念を既存の言葉で言えないとなったら、思いつきの新語をひねり出すのも仕方ないだろうが、番組を視聴した限りでは、また一人、訳のわからないお題目を唱えている人が現れた、という気がするのである。
 壮語されている「フィジカルスタンダード」とは、物理的に測定可能な標準を言うのであって、サッカー競技の何に関する標準か、適用分野を明確に言わないと、聞いている一般人に伝わらないのである。

 NHKも、公共放送として、業界で蔓延しているらしい新語を推奨して、視聴者に伝える報道も時には必要だろうが、主体的に、用語の混沌をしずめる番組作りが必要ではないか。

 最後になるが、折角の「フィジカル」大幅強化にも拘わらず、上位リーグチームの鋭い攻めを予測出来ず、また、瞬間的な対応も出来ず、試合に負けてしまったのだが、「フィジカル」でむしろ優位な場面が多くても、結局、得点できず、守り切れなかったというのは、何か、置き忘れたものがあるような気がするのである。体重が重くなり、筋肉が固くなって、敏捷性が失われたとか、懸念がありそうである。そんなことはわかっていると言われそうだが、素人に簡単に揚げ足を取られるような性急な説明はしない方が良いのである。

 相手チームの選手がいわきFC選手の「フィジカル」が脅威であったと言ったとしても、ことが不安定なカタカナ語であるから、同じ「フィジカル」を考えていたかどうか不明であるし、やたらと悪乗りして「フィジカル」と視聴者に意味の通らない言葉を言い立てる番組のコメンテーターの理解が、本当はどうだったかもわからない。結局、肝心の視聴者に伝わらないのでは、この報道は受信料に値しないのではないか。

 後ほどのコメントでは、フィジカルは、球際での競り合いと決めつけられているようでもある。これだけ時間と言葉数を費やし、様々な情景を提供しても、結局、言葉の意味が揺らいでいて、混沌である。

以上 

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