今日の躓き石 NHKBSのMLB談義にボストン事件の暗い影
2017/09/11
今回の題材は、やや旧聞であるが、9月6日NHKBS-1のWorld Sports MLBのMLB談義であった。
コメンテーターが、気軽に「リベンジ」と言ったのは、どうも、聞き手の「リベンジ」に反応したようだが、立派な経歴と見識に尊敬の集まるかたにしては、不用意と言うべきと感じた。と言うものの、旅先で言い立てるほどには感じなかったのだが、その後、大変なコメントを聞いてしまった。
旅先の見聞が関係していて、ちょっと遅くなったが、やはり言うべきことだと感じたので、書くことにした。
いや、相方にもご当人にも、何も悪意はないのはわかっている。特に、今回の問題発言は、水害被災者を勇気づけるつもりと理解する。ただ、不用意に、ボストン事件を引き合いに出したのは、大変具合の悪い発言と思ったのである。
発言の意図としては、今回の水害は「天災」で仕方ない。ボストン事件と同様に頑張りなさいと言うつもりのようなのだが、ずいぶん軽率と思う。
ボストン事件は「テロ」であり、計画的な犯人がいて、故意に大きな被害をもたらしたものなのである。コメンテーターは、「リベンジ」テロも、水害も同列に感じているのかと思うが、「絶対に」一緒にしてはいけないものである。
皆さん、「テロ」に無頓着だから平気で「リベンジ」と口にするのだろうが、復讐は毎回血を呼ぶものなのである。ちゃんと、世界には、憎悪と恐怖が渦巻いているという事態を認識して、くれぐれも不用意な発言は避けて欲しいものである。
こんなことを言い立てるのは、旅先で人通りの多い通路を挟んで記念写真を撮って、長々と自画自賛している邪魔っ気な外国人(複数・中年以上)に行き詰まって困って、邪険に手で払いのけるわけにも行かず、右手を高めに挙げて、退いてくれと挨拶して、目の前に手を振ったのだが、これをナチ式敬礼だと逆ギレされて大変むかついた経験をしたのである。いや、言葉が通じても理屈が通じない相手に抗弁してもしょうが無いので、わからない・気づかないふりをしたのである。
遠来で日本文化に無知な外国人が、日本にナチ式敬礼などないと知らないのは仕方ないとしても、世の中には、同様に、自分の行儀の悪いのは棚に上げて、万事自分の狭い了見に照らして善悪を決めつけて、感情的になる人も少なからずいるのである。
してみると、場違いな場所での悪意のない発言でも、人によっては、字面だけ捉まえて憤激・激怒することがあると言うことなのである。
誰かが、今回のコメンテーターの発言を、丁寧に、つまり正確に翻訳して報道したら、「テロ容認発言」と受け取られる可能性がある、ということである。
それにしても、スポーツ選手の日頃の会話に、こうしたたちの悪い、と受け止められかねない発言が、出回っているのは、少しでも減らした方が良いように思うのである。
以上
« 今日の躓き石 「台湾まぜそば」の怪 | トップページ | 今日の躓き石 「友好的」なプロ野球風景 NHKBSにも蔓延 »
「今日の躓き石」カテゴリの記事
- 今日の躓き石 毎日新聞の野蛮な野球記事 社会人野球に汚名(2024.11.06)
- 今日の躓き石 毎日新聞夕刊一面の墜落 今ひとたびの「リベンジ」蔓延(2024.08.28)
- 今日の躓き石 日テレプロ野球放送の「リベンジ」連発の恥さらし(2024.08.20)
- 今日の躓き石 NHKに出回る「リベンジ」病 懲りない粗相(2024.06.28)
- 今日の躓き石 毎日新聞スポーツ面の「リベンジ」再来 順当な番狂わせか(2024.06.04)
« 今日の躓き石 「台湾まぜそば」の怪 | トップページ | 今日の躓き石 「友好的」なプロ野球風景 NHKBSにも蔓延 »
コメント