今日の躓き石 サッカー界の不出来な談話「メンタル」頼り 続報
2017/09/13
今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版スポーツ面のサッカー記事である。
前回記事で、『アジアCL準々決勝第二試合の前評判記事なのだが、第一戦アウェーで1-3と敗れて、素人目にもかなり不利な状態におかれた監督の談話だから、調子の良いことを言いにくいのはわかるのだが、「サッカーは何が起きるかわからない。メンタルが大事」とある。』と書いて、 「サッカーは何が起きるかわからない。」と言うのが、神がかりだよりで、技術も作戦もない、お粗末な談話だと書いた。
「メンタル」は、意味不明な片言であり、発言者の同業者の一部にしか通じない、意味不明な言葉である。
今回は、試合後の時点である。
試合の結果は、ドラマにも珍しい、絵に描いたような逆転劇であり、発言者の願いが、めでたくかなったようである。
ただし、素人の経験でも、このような逆転は数少ないとは言え、時に見られる現象であり、主として、試合開始時に有利だったチーム全体の動揺が抑えられなかった、不利な流れを冷静に食い止めることができなかったことになる。
言うならば、敗者が語っているように、二試合総合で、まだはっきり勝っているのに、最低限の失点に止めるように守りの態勢の崩れを立て直す策が、選手達に思い浮かばなかったことになる。
サッカーはメンタルスポーツというのかどうか知らないが、急追されたときの気持ちの整え方ができていなかった、そして、そのようなときのフォーメーションの組み立て、各選手の役割分担の切り替えという、作戦面の用意がでてきいなかった、それぞれのメンタル面の備えができていなかったということである。まさか、ゲームの流れが悪くなったときに、怖じ気づいたとか言う低レベルの問題ではないだろう。
とは言え、勝者は勝者である。「諦めない」不屈の闘志と勝ちが見えたときにたたみかける勝ち味の速さが、素人目にも、相手のひるみを見逃さなかった「勝因」と思うのだが、監督が、そうした面を掘り下げて説き聞かせてくれず、毎度毎度「メンタル」なる隠れ穴に逃げ込んでしまうのは、国際基準から見ても、何とも、お粗末である。
選手の内面の充実を具体的に賞賛なするのでもなく、また、一般人に、わかりやすく伝えようとするものでもないのは、さびしい。
一度、監督自身、死ぬ気になって「メンタル」を禁句にしてみたらどうだろう。
言うならば、口になじんでいる片言の「幼児語」に毎度毎度逃げ込んでいては、社会人としての言葉遣いの成長はないのである。
それにしても、記者は、なぜ、『監督の言う「メンタル」ってなんなんですか』と聞かないのだろうか。業界通念として略語は慎む、つまり、言い換えることになっているはずなのだが、サッカー担当記者が、こぞって報道の義務を果たさないのは、何か職業病としての「メンタルブロック」でもあるのだろうか。
以上
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