今日の躓き石 「やり返したい」思いの正体?
2017/09/01
本日の題材は、毎日新聞大阪第13版スポーツ面の「野球 U-18杯」の戦評に続く、主将に関する記事である。いや、主将が「リベンジ」だと吠えたのではないから、一連の記事に続く「リベンジ」ではない。ちょっとした疑問に駆られたのである。
主将は、チーム内に微かに漂う油断、慢心を戒めた後、自身が前回大会で打撃不振だったことを回顧して、いわく「悔しさは相当ある。やり返したい」と誓ったそうである。記者は、その言葉に「苦い記憶を糧に」と帰したことに、並々ならぬ決意を感じたようである。(主将の立場で、誰に、何を誓ったのか、何を賭けたのかは聞かないことにする)
してみると、ここで言う「やり返したい」と言うのは、特定の個人や特定のチームに復讐するという意味ではないようである。単に、新たな気持ちで再挑戦したい、と言う意味のようである。
それなら、日本語として間違った表現であるし、記者も、意味を知っていて共感しているのなら、自分の責務に立ち返って、誰にでも誤解(?)無くその真意が伝わる言葉に言い直して欲しいものである。
いや、今回は、新しい「リベンジ」は新しい「やり返したい」の反映でないか、と発見した点で、大変勉強になったのである。
と言うことで、今回も、全てのツケを担当記者に持ち込むのである。
一般読者の理解困難な言葉は、何か理解の手掛かりを示して欲しいのである。
ここで言うとすれば、『「やり返したい」と言っても、誰かに復讐するぞ、と言う意味の不穏な意味ではない。単に、やり直したいとの意味である。』と書き足して欲しいのである。そして、主将には、その言い方では、みんなに誤解されるから、「やり返したい」と言わないように、と助言して欲しいものである。
いや、いつの時代も、言葉は時代とともに変化するのであるが、今回は、新聞記者の知らないところで、普通の言葉が大きく変化している兆候を見た気がするのである。
以上
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