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2017年10月11日 (水)

今日の躓き石 毎日新聞の体操報道は無理難題連発

                    2017/10/11
 今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第12版のスポーツ記事、と言っても、ここ何度か苦情を呈している体操世界選手権の総評記事である。

 当ブログの題材、つまり、やり玉に挙げる事項は、大抵、無理なカタカナ用語の蔓延荷担への非難であり、今回も、最初に躓いたのは、「オールラウンダー」なる問題表現である。

 ただし、今回は、問題用語の言いっぱなしでなく「複数の種目を高い次元でこなす「オールラウンダー」としての力が、これまで以上に求められると一見もっともらしい。
 世界中がどうであろうと、毎日新聞スポーツ面の署名記者記事では、この言葉は、この意味で使うという宣言であるが、いわゆる独善でないかと疑問に駆られる。
 というのは、言葉の定義を意図したらしいが、一見日本語に見える「複数の種目を高い次元でこなす」なる言葉は、無意味な言い回しでしかないから、定義になっていないのである。
 「高い次元」とは、四次元、五次元のことを言うのだろうか。高い水準というものではないのだろうか。所詮、体操競技は、得点で評価されるのであり、次元の高い低いは評価されないのではないか。不可思議である。
 「複数の種目」
と言うが、六種目中二種目スペシャリストは、「オールランダー」と言うに相応しいのだろうか。いや、体操六種目に対する「オールランダー」の字義は、説明されていないのであるから、定義になっていないのである。

 それにしても、なぜ、もっと、一般読者にわかりやすい平易な表現をとらないのか、大いに疑問である。記者は、評論を業とする論客ではなく、新聞報道の任にあるものではないのか。

 続いて、中国、ロシア二カ国の選手名が挙げられ、「各国とも」と飛躍した意見が述べられている。世界の各国が、全競技でトップクラスを目指すことのできる選手の育成を測るはずがない。そんなことは、体操超大国以外では無意味なのではないか。
 まして、中国もロシアも自国語での表現に努めているはずであり、「オールラウンダー」なるヘンテコ日本語を目指しているはずはないのである。
 しかし、記事は、「取り組んでいる」と断定している。どのようにして、秘密であるべき各国の養成方針を内偵したのか、不思議であるし、そのような内偵をしているというのは、情報ソースの秘匿に関わるものであり、新聞として最高機密ではないのか。不思議である。

 いや、国内指導者は、絶対強者が一人では、今回のような事態で無くても一時的な不調もあるから、同様の絶対王者が何人かいて欲しいというのは、願望として理解できるが、そんなことが簡単に、と言うか、何とかしてと言うか、とにかく、実現できるのであれば、そりゃ、らくらくと世界制覇できるだろうが、そんな途方もない成果獲得を課題として取り組むものなのだろうか。

 協会指導者が、公の場で、新聞報道を前提に口に出す言葉とは思えない。乱心されたのであろうか。

 いや、記者は、当記事でそれを課題として明記すれば、それが契機となって達成されると見ているようであるが、そんなことは、無理難題の極みではないか。どの分野であろうと、世界王者クラスの選手,絶対王者を四人養成すれば、(スペシャリストだろうが、ジェネラリストだろうが)個人総合で一,二,三,四位の上位を独占して、団体総合王座、金メダルは確実に獲得できるのである。
 いや、当方は、課題として提示して、全員参加で解決すれば実現可能であると言っているのではない。あくまで、反語であるそんなことは、必死で取り組んでも実現できないから、みんな苦労しているのである。

 いや、全国紙記者に求められるのは、高邁な見地からの権威ある意見なのだろうか。

以上


 

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